ミニ・レビュー
アルバム2作目。“役者系歌ものアルバム”を忘れるほど、水準の高い仕上がり。すごく歌が上手い。本人の作詞曲がアルバム歌詞世界の軸に置かれるものの、この世界を“役”で演じているのか、それとも彼女の地なのか、焦がれつつ想い惑わされるのがファンなのでしょう。
ガイドコメント
作詞を8曲こなすなど、アーティストとしての成長をうかがえる彼女のセカンド・アルバム。プロデューサーはシングル曲から担当している武部聡志。ヒット・シングル満載でお買得。
収録曲
01アイノトビラ〜あなたへ
98年9月リリースの2ndアルバム『アイノトビラ』のオープニング・ナンバー。1分に満たない時間の中で、これから始まる壮大なストーリーを予感させてくれるストリングスをフィーチャーした、美しいインストゥルメンタル・バラード。
02BEGINNINGS
少し寂しげなシンセサイザーがまるでサックスのように鳴り響き、情緒あふれるヴォーカルと絡むと、一いっそう哀愁を漂わせるミディアム・バラード・ナンバー。左右に揺れるバック・サウンドも涼しい空気の広がりを感じさせる。
03a secret
透き通るように綺麗な心を温かく柔らかみのあるヴォーカルで素直に表現したスロー・バラード・ナンバー。落ち着いたテンポで進むサウンドの中には広がりがあり、静かな夜にピッタリの曲。作詞は彼女によるもの。
04Kisses
優しさに富むピアノにストリングスが絡み合い、どこか懐かしさを感じさせるギターと甘いヴォーカルが重なる至福のラブ・ソング・ナンバー。柔らかく包んでくれるメロディとハーモニーは彼女の心をそのまま表わしたかのようだ。
05ごめんね。 (album mix)
リズム感のあるドラムやスパニッシュ調のギターが鳴り響く情熱的なサウンドに、詞の世界を声というツールで確実に表現する彼女の高い歌唱力が垣間みられるナンバー。アクセントとなる弦の響きが、妖しい雰囲気と哀愁を奏でている。
06Stay with me
なにげない日常の中に潜む愛を、情感豊かなヴォーカルでリスナーの心に浸透させるミドル・テンポのポップ・ナンバー。サビ部分からはいっそうの広がりが感じられ、温かい気持ちにさせてくれる。作詞は彼女によるもの。
07On the way home
開放感あるギター・サウンドと元気なヴォーカルが気分を盛り上げてくれる、爽快なポップ・ナンバー。作詞は彼女によるもので、「人生なんて楽しまなきゃ損」というフレーズがいかにも彼女らしさを感じさせる。
0820 candles
落ち着いたサウンド・プロデュースに情緒あふれる彼女のヴォーカルが重なる、ロマンティックなバラード・ナンバー。愛する人がそばにいるだけで感じられる安心感、ずっと一緒にいたいという思いが素直に表現されている。
09あくび
柔らかい光を感じさせてくれるギターの響きが心地よく、優しいヴォーカルが気分をリラックスさせるポップ・ナンバー。微笑ましい日常を歌うのにピッタリな爽やかな曲調であるだけでなく、どこかムーディな雰囲気をも漂わせるサウンド・メイクは武部聡志によるもの。
10恋するギョーザ
ふわふわしたリラックス感あふれるサウンドに、素の彼女が感じられるヴォーカルがマッチした爽やかポップ・ナンバー。シンプルな構成とキュートなタイトルに後押しされ、一緒に歌いたくなるようなテンポのいい楽しい曲。作詞は彼女によるもの。
11キミじゃなくてもよかった
武部聡志によるゆったりとしたサウンド・プロデュースに、哀愁たっぷりのヴォーカルで本当の恋をしたいという気持ちを切々と歌うミドル・テンポのバラード・ナンバー。素直に愛されたいという気持ちや詞の世界に、胸を強く刺激される。
12真冬のメモリーズ
爽快に響くアコースティック・ギターに、少し攻撃的なエレキがバランスよくまとまって、寂しさを隠すようなヴォーカル&ハーモニーが哀愁を漂わせるポップ・ナンバー。一見悲しそうに思える歌詞だが、実は女同士の友情を歌ったもの。
13Just a flow
壮大なストリングスとツボを抑えたキーボードに、女の魅力を十分に惹き出したヴォーカルが美しく映える、スロウ・テンポのバラード・ナンバー。細かいところにまで工夫がなされている編曲は、武部聡志によるもの。
14サクラ・フワリ (live live)
シンプルな構成のアコースティックなサウンドに、彼女の温かいヴォーカルが心に染み込んでくるバラード・ナンバー。旅立ちの季節である春をイメージする、サクラを歌詞に採り入れ、フワリと広がる優しさを見事に表現している.作詞は彼女によるもの。
15あなたへ
静謐に奏でられるピアノが思いの深さを感じさせ、そっと消えてしまいそうなヴォーカルがいっそう哀愁を漂わせるスロー・テンポのバラード・ナンバー。作詞・作曲を手掛けた彼女自身がピアノの弾き語りをしている。