ミニ・レビュー
名曲をバリバリ弾きこなし、ステージでの喝采を求めるピアニストもいれば、ある作曲家ととことん付き合うことで、そこに内在する独自の音楽世界を追求する……フランソワーズ・ショヴォーは明らかに後者。自身も作曲家であり、ダリウス・ミヨーのピアノ全作品を弾くことで、作曲者の多面性をみごとに引き出している。単純な音の組合せが不思議なほど思慮深く聴こえ、次の瞬間にはおどけていたり、抒情性と愉快な笑いが交錯したり、並のピアニストにはとても手が出せないミヨーの個性的な感性に光を当てた名演だ。
ガイドコメント
フランス6人組のひとり、ミヨーのピアノ独奏作品集。多作家で有名なわりにはあまり知られていないだけに、フランス近代音楽ファンにはありがたいボックスだ。1910年代の初期から晩年の円熟期までの逸品を味わえる。
収録曲
ミヨー:
[Disc 1]
01「ボヴァリー夫人」〜三つのワルツ
02暖かいおもてなしop.326〜子供のための17の小品
03或る一日op.269
04「ボヴァリー夫人」〜ボヴァリー夫人のアルバムop.128b
05四つの無言歌op.129
06ブラジルの郷愁 (サウダージ)op.67
[Disc 2]
01春・第1編op.25
02春・第2編op.66
03秋op.115
04マズルカ
05白鍵あれこれ/黒鍵あれこれop.222
06あそびop.302
07コラールop.111
08三つのラグ=カプリースop.78
09四つのスケッチop.227
10家政婦という女神 (ミューズ)op.245
11屋根の上の牛〜フラテッリーニのタンゴop.58c
[Disc 3]
01組曲op.8
02ソナチネop.354
03ソナタ第1番op.33
04ソナタ第2番op.293
05賛歌と栄光の歌op.331