[Disc 1]
01オリビアを聴きながら
杏里のデビュー曲。現在も根強い人気を持つ楽曲で、デビュー曲がそのまま代表曲となった。「私の幻を愛したの」というフレーズが泣かせます。尾崎亜美の詞曲が上手い。ちなみに「オリビア」とはオリビア・ニュートン・ジョンのこと。
02ドルフィン・リング
杏里作詞・作曲のスムーズなポップ・チューン。最愛の人との永遠の愛を喜ぶラブ・ソングで、スウィートなサックス・ソロやゴスペル風バッキング・コーラスが華を添える。当時、結婚式で歌われることが多かった。
03嘘ならやさしく
化粧品メーカーのイメージ・ソングにもなった91年発表のシングル曲。華やかなストリングスやブラスの入るグルーヴィなポップ・ナンバーだが、テーマは別れ。バッキングが賑やかなほどに、その悲しみが強調されるようだ。
04HAPPY ENDでふられたい
オシャレ系ポップ・チューン。恋人にふられた女性の“立ち止まれば涙になるから”と、懸命に自分を励ましながら前へ進もうとする健気な姿が綴られる。シャッフル基調の軽快なビートが切なさを際立たせている。
05LANI〜HEAVENLY GARDEN〜
全体はオーソドックスなライト・バラードだが、洗練されたメロディや情感豊かなヴォーカルなど、杏里の才能が十分に発揮された好楽曲。歌詞には“胸の中に眠っている楽園”といったスケールの大きい愛が綴られている。
06悲しみがとまらない
友人に恋人を奪われたことで愛も友情も失ってしまうという最悪の状況を歌った失恋ソング。角松敏生のプロデュースのもと、「CAT'S EYE」に続いてヒットを記録した、杏里の代表曲に数えられるポップ・チューン。
07最後のサーフホリデー
ファンキーなカッティング・ギターで幕を開ける軽快なポップ・ナンバー。ひと夏の浮気を思い返しつつ、淋しい大人になっていくことを実感する切ないラブ・ソング。コーラスが絡むサビはシンプルだが印象に強い。
08愛してるなんてとても言えない
杏里の伸びやかな歌声が切なく響きわたるサビ部分のために存在するような1曲。華やかなバッキングやグルーヴィなリズム、作詞家・吉元由美による完成度が高い歌詞なども十分素晴らしいが、やはり歌声の素晴らしさは特筆に値する。
09SUMMER CANDLES
88年リリースのシングル。杏里の代表曲のひとつ。愛を得たことの喜びを歌う、ハッピーなバラードなので結婚式のキャンドルサービスなどのBGMでもお馴染み。作詞の吉元由美は同タイトルの本も出しました。
10ALL OF YOU
外国の大都会に暮らす恋人の元を離れて帰国の途に就く際の寂しさを綴ったバラード・ナンバー。J-POPらしい美しい旋律と杏里のブリリアントなヴォーカルが、切なく映る摩天楼の輝きを象徴しているかのようだ。
11逢えないせつなさと
99年5月にシングル・リリースされたAOR色の濃いライト・バラード。タイトルや“遅すぎた出逢い”という言葉などから不倫がテーマと考えられる。現状に悩みながらも、自分で決めたことは後悔しないと心に誓う、女の意地が感じられる。
12GROOVE A・GO・GO
浅野ゆう子主演ドラマ『ハートに火をつけて!』の主題歌にもなったオシャレ系のファンキー・ポップ・チューン。随所に登場するスムーズなバック・コーラスやジャジィなピアノ・ソロなど、リゾート・テイストに満ちあふれている。
13YOU ARE NOT ALONE
83年発表のアルバム『Timely!!』に収録されたスムーズなライト・バラード。海の見える部屋で、眠っている恋人のおでこにキスをするお洒落で甘いラブ・ソング。サビの杏里の伸びやかな歌声が実に美しい。
14SWEET EMOTION
91年2月リリースのシングル曲。パンチの効いたファンキーなヴォーカルが光るグルーヴィなポップ・チューンで、カネボウのイメージ・ソングにもなった。わずかにハスキーがかる高音域が聴きどころだ。
15砂浜
“ボク”の視点で綴られた歌詞を特徴とする癒し系のポップ・ナンバー。8分音符を柔らかいタッチで刻むエレピや穏やかな男声コーラスなど、岡田徹(ムーンライダーズ)のアレンジ・センスが光っている。隠れた名曲だ。
16夏の月
人気の高い哀愁系ポップス。98年の楽曲で、海の登場する歌詞は相変わらずだが、オシャレなAOR路線から遠ざかったサウンド作りには好感が持てる。ピアノ主体の静かな前半と盛大な後半のギャップが味わいどころ。
[Disc 2]
01CAT'S EYE
北条司の人気コミックのアニメ版主題歌。その明快でダンサブルなノリで大ヒット。当時をリアルタイムで体験した各世代には思い出深い、80年代を代表する一曲。84年度の選抜高校野球の行進曲にも。
02FUTURE FOR YOU
アコギのシャープなカッティングが心地よい軽快なポップ・ロック・ナンバー。“あきらめないで歩いてゆこう”と高らかに歌い上げるきわめてポジティヴな人生応援ソングで、力強い杏里の歌声が聴き手の背中を押してくれる。
03ONE―愛はふたりの言葉だから―
アコギの美しいアルペジオで始まる軽やかなミディアム・バラード。愛を信じてどんな困難も乗り越えて行こうといったごもっともなラブ・ソングだが、キャリアの長い杏里のヴォーカルには説得力があるので素直に聴き入れられる。
04コットン気分
81年4月発表のヒット・シングル曲。初夏の香りに満ちた良質なポップ・ナンバーで、花王のCMソングとなり、本人もイメージ・ガールとして出演した。“コットン、コットン”と繰り返す杏里が実にキュートだ。
05地中海ドリーム
1979年4月にリリースされた2ndシングル曲。デビュー曲に引き続き、尾崎亜美が作詞作曲を手掛けた軽快なポップ・チューン。アイドルチックな甘えた歌いまわしと歯切れの良い発音がチャーミングだ。
06ラスト ラブ
“海”と“愛”が登場する杏里らしい甘いリゾート・ラブ・ソング。ずっと待っていたプロポーズの言葉を言われるが、すぐに答えられないという微妙な女心がテーマ。滑らかなストリングスがふたりの幸せな未来を予感させる。
07スノーフレイクの街角
88年12月発表のシングル曲。華を添えるブラス隊とコーラス、キャッチーなサビ、実力に裏打ちされた確かなヴォーカルなど、期待を裏切らないお洒落なラブ・ソング。いつもの夏の海ではなく、冬を舞台にしている点が特徴的。
08INNOCENT TIME
裏拍を強調したベースが軽快なグルーヴを創出するライト・ポップ・ナンバー。控えめなAメロ、抑揚のあるBメロ、インプレッシヴなサビと秀逸な展開を見せる完成度の高い1曲で、ツボをおさえた作曲センスが光る。
09SHARE 瞳の中のヒーロー- SHARE -
長野オリンピックの公式イメージ・ソング。静かな前半から壮大なクライマックスへドラマティックに展開するスケールの大きいバラード。選手へのエールとも個人的なラブ・ソングとも受け取れる練り上げられた歌詞が見事。
10さよなら シングル・デイズ
オーソドックスなミディアム・バラード。結婚を迎える女性が10代の頃に愛した恋人との思い出にさよならを告げる切ないラブ・ソング。一種のマリッジ・ブルーであろうが、結婚を控えた男性諸君にはお勧めできない1曲。
11P.S.言葉にならない
アルバム『CIRCUIT of RAINBOW』に収録されたライト・ポップス。ゆったりとしたリズムとスムーズなバッキングが醸し出すリラクシングなサウンドに乗って、すれ違いの多かったかつての恋人を思い起こす。
12思いきりアメリカン
小林武史が作曲したポップ・ナンバー。自分以外にも女のいた恋人にさよならの手紙を送り、ひとりカリフォルニアの海沿いで心の傷を癒す失恋ソング。サビのメロディは一度聴けば覚えてしまうほどインパクトが強い。
13LOVE LETTERS
王道アダルト・コンテンポラリー・ナンバー。車の中から、かつて激しく愛した恋人を見かけ、その熱い想いを噛み締める切ないラブ・ソング。甘いサックス・ソロやセクシーなコーラスなど、スムーズなサウンドが際立つ。
14DREAMING
全編にわたって美しいストリングスが響きわたるライト・バラード。夢を信じて生きていこうといったポジティヴなメッセージ・ソングで、英語の比重の大きい歌詞が特徴的。92年のアルバム『MOANA LANI』収録曲。
15VOICE OF MY HEART
ジェイムス・イングラムの実弟フィリップ・イングラムとのデュエット・ナンバー。華やかなゴスペル・コーラスを配してのブラック・コンテンポラリーで、杏里がフィリップに勝るとも劣らない力強い歌唱を披露している。
16CIRCUIT OF RAINBOW
89年5月に発表されたアルバムのタイトル曲。ラテン・フレイヴァーのAORナンバーで、相変わらずセクシーなサックス・ソロやスムーズなコーラスが駆使されている。リヴァーブを強めにかけたヴォーカルが印象的。
17I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME
角松敏生が作詞・作編曲を手掛けたバラード・ナンバー。恋人との別れを決意した女性の、彼との最後のひとときを描いた切ないラブ・ソング。角松らしい洗練されたサウンドと杏里の伸びやかなヴォーカルの相性は抜群だ。