ミニ・レビュー
詩人肌のケンプと剛毅なバックハウス。対照的とも言える持味の二人の大ピアニストが、偶然にも1954年の日本で、同じ指揮者とオケにより「皇帝」を弾いた。それを聴き比べる一枚。ただしケンプは2・3楽章のみ。両大家の演奏は定評通りだが、ここでは指揮者とオケの奮闘にも拍手。
ガイドコメント
TBSに眠っていた貴重な音源を掘り起こしたシリーズの一枚で、1954年、バックハウス最後の来日公演の記録。会場となった日比谷公会堂の熱気が伝わってくるようだ。音源が一部不完全だが、同年のケンプの演奏も併録。
収録曲
ベートーヴェン:
01ピアノ協奏曲第5番変ホ長調op.73「皇帝」
ショパン:
02練習曲変イ長調op.25-1
ベートーヴェン:
03ピアノ協奏曲第5番変ホ長調op.73「皇帝」〜第2楽章
04ピアノ協奏曲第5番変ホ長調op.73「皇帝」〜第3楽章 ロンド
演奏
(1)(2)ヴィルヘルム・バックハウス,(3)(4)ヴィルヘルム・ケンプ(P) (1)(3)(4)上田仁指揮 東京交響楽団