ガイドコメント
テレビ番組のテーマ曲あり、ライヴ・ヴァージョンあり、アウト・テイクありと、これまでのアルバムに収まりきらなかった音源を集めた2枚組ベスト・アルバム。ベストといいつつレア音源しか入っていないという選曲も、また彼ららしい。
収録曲
[Disc 1]
01ママミルク
02グッドバイ
FM802の番組用に録音された95年7月の大阪でのライヴ。オリジナル・ヴァージョンに忠実な演奏で、それだけ彼らの演奏レベルが高いことがわかる。甲本ヒロトの気の利いた曲紹介やテンションの高い雄叫びに注目。
03バナナボートに銀の月
マーシーがヴォーカルを担当するロック・ナンバー。ギター・ソロやドラムのフィル・インなどは多少異なるが、基本的な構成はオリジナル・ヴァージョンと同じ。正確な収録日や場所がわからないといういわく付きのライヴ音源。
04スーパーソニックジェットボーイ (SINGLE Version)
3rdシングルとしてリリースされたヴァージョン。アルバム収録のオリジナル版のコーラスが“ウー”であるのに対しこちらは“アー”。大差のない別テイクなので、聴き込むほど違いがわかるというコアなファン向け。
05日曜日よりの使者 (SINGLE Version)
1stアルバム『ザ・ハイロウズ』のラストを飾るミディアム・ナンバー。ペンタトニック・スケールを基調とした親しみやすいメロディが魅力。本田技研のCMソングとしても広く知られ、ハイロウズの代表曲となっている。
06ベートーベンをぶっとばせ (featuring 三宅伸治・Vo、G)
デビュー前に行なわれたクラブチッタ川崎でのライヴで、ブルーハーツの『パン』に参加していた三宅伸治が飛び入りしたチャック・ベリーのカヴァー曲。シングル「スーパーソニックジェットボーイ」にカップリング収録。
07胸がドキドキ
アルバム収録されなかった4thシングル曲。アニメ『名探偵コナン』の主題歌としても知られるヒロトとマーシーの共作。さすがに普段の過激な言葉はなく、子供の夢を膨らませるようなポジティヴな歌詞になっている。
08そばにいるから
「胸がドキドキ」同様、ツアー中のホテルで甲本ヒロトとマーシーが書き上げた共作ナンバー。こちらは挿入歌としてアニメ『名探偵コナン』で使用された。ミディアム・スローの落ち着いた曲調と優しい歌詞が魅力。
09THE GOLDEN AGE OF ROCK‘N'ROLL〜ロックンロール黄金時代〜
トリビュート・アルバム『MOTH POET HOTEL』に収録されているカヴァー曲。イントロの会話からの粋な展開やハイ・トーンのバッキング・コーラスなどが聴きどころ。日本語詞は甲本ヒロトによるもの。
10情熱の嵐
『西城秀樹ROCKトリビュートKIDS WANNA ROCK!』収録のカヴァー曲。ハイロウズらしさも感じられる違和感のない演奏で、裏声のバック・コーラスや“うっ”というかけ声など、ユーモアも忘れていない。
[Disc 2]
01相談天国 (SINGLE Version)
5thシングルとしてリリースされたヴァージョン。基本的な構成は2ndアルバムに収録されているテイクと同じだが、Bメロのバッキングにあったパーカッションやアコギがなく、またギター・ソロも大幅に異なる。
02デトロイト・モーター・ブギ
5thシングル「相談天国」のカップリング曲。アップ・テンポのシャッフル・リズムとその裏拍を強調したメロディが特徴的。基本的に“car”を繰り返すだけの歌詞がユニーク。KISS代表曲のパロディと考えられる。
03夏の朝にキャッチボールを
マーシーが川村かおりに提供した曲のセルフ・カヴァー。やや歌謡曲の要素が入ったキャッチーなポップ・ロック・ナンバーで、ライヴでも度々披露されている。6thシングル「ロッキンチェアー」にカップリング収録。
04俺のじゃまはするな
シングル「Happy Go Lucky」にカップリング収録されたブルース進行を主体とするポップ・ロック・ナンバー。タイトル通り“じゃまするな”と訴える歌。おどろおどろしい独特のギター・フレーズが印象的。
05開かないドア
8thシングル「月光陽光」にカップリング収録されたチャーミングなポップ・チューン。“たたくためにある”ドアという、ヒネリの利いた歌詞が魅力的。頼りないコルネットは甲本ヒロト、サックスはマーシーが吹いている。
06ジョーカーマン
9thシングル「千年メダル」にカップリング収録されたリズミックなポップ・ロック・ナンバー。シタール・サウンドによるインド風フレーズが顔を出すBメロが印象的。“リラクシン”のツアーでは度々演奏された。
07アウトドア派
アルバム収録されなかったことが不思議なほど完成度の高い名ナンバー。マーシーと甲本ヒロトがそれぞれサビとそれ以外を歌う切ないアコースティック・ロック。シングル「真夜中レーザーガン」に両A面曲として収録された。
08風の王 (Citron Soda Mix)
アルバム『ロブスター』収録のオリジナル版と同じテイクを、いわゆる業界向けプロモーションCD用にミックスしなおしたヴァージョン。金子飛鳥のプロジェクトによるフィル・スペクター風ストリングスが印象に強い。
09即死
シングル「罪と罰」のカップリング曲。死ぬ時は苦しまず迷惑もかけない“即死”がいいと歌う、マーシーの死生観が垣間見れるロック・ナンバー。“リラクシン”のツアーでは度々演奏されたファン人気の特に高い1曲。
10愛はいらない
ピアノのバッキングを主体としたミディアム・スロー・ナンバー。比較的ストレートなラブ・ソングで、甲本ヒロトが張り上げるように歌うサビが感動的。13枚目のシングル「ハスキー〜」にカップリング収録された。
11ザ・ハイロウズのテーマ
1stシングル「ミサイルマン」のシークレット・トラック曲。メンバーが順番に自己紹介する2分半のイントロを経、軽快なロックに乗せて無意味な歌を合唱する。スタジオでのセッション風景を垣間見るようで楽しい。
12アジア〜愛のテーマ〜
アルバム『バームクーヘン』用のセッション中に録音された“お遊び曲”。メンバーが口で“ウン、チチ、ッハ”とリズムを刻む中、デタラメな外国語などをコール&レスポンスする。楽しそうな雰囲気が伝わってくる1曲。
13ブラックハワイ〜愛のテーマ〜
アルバム『バームクーヘン』用のセッション中に録音された“お遊び曲”第2弾。それっぽいハワイアン・コーラスを基調に、“アロハ”や“ハメハメ”といったテキトーな単語で旋律らしきメロディを歌う。実に楽しそうだ。