ガイドコメント
今でも、女性に圧倒的な支持を受けている工藤静香のベスト・コレクション。艶歌にも通じる色っぽい歌声、大人びた歌詞などが女性に支持される秘訣か。ヒット・ナンバーも多数収録。
収録曲
01禁断のテレパシー
当時、おニャン子クラブで「うしろ髪ひかれ隊」として活躍していた工藤静香の鮮烈なソロ・デビュー曲。おニャン子の多くのナンバーを手がけている秋元康と後藤次利という鉄壁のコンビによる本作は、当時の女性アイドル・シンガーの王道をいくような、覚えやすいメロディと打ち込みの耳当りの良いサウンドで大ヒットを記録した。
02抱いてくれたらいいのに
3rdシングルは大方の予想を裏切ってゴスペル・フィーリングのロッカ・バラード。ロッカ・バラードとは8/12拍子のスロー・バラードのことをいうが、当時ロッカ・バラードをシングルで持ってくる例は、THE ALFEEやチェッカーズにあったものの、ごく稀だった。本作のヒットにより彼女の歌唱力を知らしめた。
03FU-JI-TSU
88年6月1日リリースの4枚目のシングル。壮大なロッカ・バラードだった前作からがらりと変わって、シンプルでポップなメロディは、デビュー作から作曲を担当している後藤次利によるもの。作詞は、工藤静香がファンだという中島みゆきが担当、デビュー曲や前作にはなかった繊細な気持ちを描いている。
04MUGO・ん…色っぽい
05恋一夜
ポップでありながらも和風の雰囲気を持った88年12月28日発売の6枚目のシングル。「箱根彫刻の森美術館」のCMソングとしてオンエアされていた。前作「MUGO・ん…色っぽい」のメジャーな雰囲気から一転して、日本人好みのマイナーなメロディと豊潤なサウンドで彼女の新しい一面を垣間見ることができる。
06嵐の素顔
07黄砂に吹かれて
89年9月6日リリースの7枚目のシングル。太陽誘電「That's OW」のCMソングだった。今までとはちょっと雰囲気を変え、モダンなサウンドへ変化した。作詞は「MUGO・ん…色っぽい」以来、中島みゆきが復活、複雑な女心を描いた歌詞を、工藤静香は感情豊かに歌いあげている。
08くちびるから媚薬
09千流の雫
90年5月9日リリースの10枚目のシングルは、「黄砂に吹かれて」に続いて、太陽誘電「That's OW」のCMソング。作詞を工藤静香が愛絵理名義で担当、中島みゆきの影響を深く受けた繊細な歌詞を切実と歌っている。作曲はデビュー以来担当している後藤次利が担当、モダンでシックなイメージの曲に仕上げている。
10ぼやぼやできない
91年1月23日リリースの12枚目のシングル。モータウンっぽいリズムを持った8ビートのナンバーで、マイナーな曲調でありながらも、ちょっとユーモラスな雰囲気を持っている。作曲を担当している後藤次利が本来ベーシストであるため、毎回リズム面には趣向を凝らしてあるが、中でも本作は特にリズム面が充実している。
11メタモルフォーゼ
91年10月23日リリースの14枚目のシングル。工藤静香のシングルでは珍しいファンキーなアップ・テンポの16ビートのナンバーで、生音中心のサウンドが、グルーヴを生み出している。作曲担当の後藤次利らしくリズム面でもかなり趣向を凝らしてあり、ライヴで最も盛り上がりそうなナンバーに仕上がっている。
12めちゃくちゃに泣いてしまいたい
92年1月29日リリースの15枚目のシングル。デビュー以来の付き合いになる後藤次利作曲による壮大な雰囲気を持ったワルツで、切ない気持ちを描いた歌詞を感情を込めて切実と歌っている。どんなタイプの楽曲でもさらりと歌いこなしてしまう、工藤静香のヴォーカリストとしての力量を示したナンバーだ。
13慟哭
14Blue Rose
94年3月20日にリリースされた21枚目のシングル。デビュー以来作曲とアレンジを担当してきた後藤次利が作曲から離れ、都志見隆が作曲を、澤近泰輔がアレンジを担当している。リフを活かしたハードな曲調で、今までの工藤静香にはなかったハードな面を強調している。歌詞も愛絵理名義で彼女自らが担当している。
15Ice Rain
94年11月18日にリリースされた23枚目のシングル。「Blue Rose」で作曲を担当した都志見隆の本領が発揮されたピースフルなバラードで、工藤静香が愛絵理名義で書いている、痛い気持ちの伝わる歌詞と相まって、この時期を代表する名曲に仕上げている。ヴォーカリストとしても充実を感じさせる熱唱だ。
16Blue Velvet