ミニ・レビュー
前田亘輝、ソロ活動後、初のベスト・アルバム。大ヒット曲はもちろんのこと、ファンの間でも人気の高い曲を集めた、聴きごたえ十分の内容だ。一般には、どうしてもヒット・チャート中心になりがちなシンガーだが、シングル以外でもホント、いい歌を歌ってる。
ガイドコメント
TUBEの前田亘輝のベスト・アルバム。シングル8枚とアルバム7枚の中から、「君だけのTomorrow」や「Try Boy,Try Girl」などのヒット・ナンバーを厳選収録。バンドとは一味違った魅力が味わえる。
収録曲
〈Single Collection〉
01D・A・M・E
90年にリリースされたヒット・シングル。パワフルなロック・テイストとアンニュイな歌謡曲フレーヴァーがミックスされた、魅惑のポップ・チューン。圧倒的なヴォーカル・テクニックと豪快にうなるギターとの掛け合いは圧巻。
02恋ノウタ
本間昭光がプロデュース、中村太知をアレンジャーに迎えて制作されたミディアム・ナンバー。穏やかさと力強さがクロスしたヴォーカルで、あふれ出す想いを爽やかに歌い上げている。ただ甘いだけではない極上のラヴ・ソング。
03そばにいるよ
「金銭や名誉や仕事よりも大切なのは愛」と、情感たっぷりに歌い上げるバラード。悪いことも受け止めて前へ前へと目を向けたポジティヴな歌詞は、いまでも結婚式で歌い上げられる定番ソング。ただしかなりの歌唱力を要する。
04君だけのTomorrow
日本テレビ『進め!電波少年』のヒッチハイク企画のテーマ曲として大ヒットしたポップなロック・ナンバー。ポジティヴで温かみのある歌詞とパワフルさと優しさをあわせ持った前田のヴォーカルの魅力が見事にマッチングした、珠玉の応援歌。
05Try Boy、Try Girl
チョーキングを多用したハードなギター・サウンドが印象的なロック・ナンバー。畳み掛けるようなハイ・テンポなサビと辛口なメッセージが込められた歌詞が気持ち良い。コーラスで参加している若き日の大黒摩季も、パワフルなシャウトで曲を盛り上げる。
06Merry Christmas To You
91年発表のクリスマス・ソング。痛くて切ないほどの恋しさを綴った歌詞と繊細で伸びやかなヴォーカルが印象的。全体的には静かな曲調だが、そこは前田亘輝、サビでは期待どおりのパワフルな愛に満ちた歌声を聴かせてくれる。
07Christmas For You
92年にリリースされた、ロックでポップで感動的なバラード。恋人とのクリスマス・イヴを題材にした歌詞が切ない。イントロやサビ前の甘く透明感のある女性コーラスが、前田の力強いヴォーカルを効果的に引き立てている。
08Always
09Feel Me、Touch Me (Brand New Mix)
作曲とコーラスに稲葉浩志、ギターに松本孝弘と、デビュー前夜のB'zをバックに従えたハードなロック・ナンバー。歌詞に「頭はからっぽ」とある通り、サウンド・ヴォーカル・アレンジすべてが飾らず、まっすぐなパッションに満ちている。
10I'm Gonna Start Again (Brand New Mix)
ギターに松本孝弘、コーラスには稲葉浩志、そして楽曲提供は織田哲郎という超豪華ラインナップによる、パワフルで突き抜ける程の爽快感のあるロック・ポップ・チューン。郷愁と疾走感とメロのキャッチーさが融合したサウンドと力強いヴォーカルの相性も最高。
11フォローマン
わがままな女の子にいいように振り回されてフォローばかりさせられているのに、結局報われない男の悲喜を歌ったブルース。作曲者でもある織田哲郎のクールなギター・プレイとユーモアと哀愁に満ちた歌詞のコントラストが楽しい。
12一期一会
古き良きアメリカを彷彿とさせる王道のR&Rに乗せて四文字熟語をひたすらシャウトし続けるユニークな楽曲。と言うとイロモノ、企画モノと思われがちだが、起承転結のある歌詞と迫力のバンド・サウンドにより、ハイクオリティな作品となっている。
13もう歳だ
イントロのハードでキャッチーなヘヴィ・メタル風ギター・リフから、すでにアクセル全開の痛快ロック・ナンバー。辛らつなメッセージを含んだ切れ味の鋭い歌詞や、轟音ギターにもひけをとらないパワフルなヴォーカルはさすが!
14いいわけ?
ジョン・ローリーをはじめとする豪華海外アーティストたちをバック・バンドに従えた、ハードでポップなロック・ナンバー。キャッチーかつ力強いギター・リフと韻を踏んでいくユニークでシリアスな詞が印象的だ。
15キセキの風
あたたかみに満ちたギター・プレイと力強さと優しさにあふれるヴォーカルが印象的な、癒し系ポップ・ソング。キーボードやストリングスによる繊細な音色と間奏のホルン独奏が、爽やかでほのぼのとしたイメージを際立てている。