ミニ・レビュー
楽器の大きさを実感させる恰幅の響きと、それに負けない豪放なる弾きっぷりばかりが、チェロを聴く快感ではない。半世紀の昔、ロストロポーヴィチとウデを競ったシャフランの音は、尖鋭にして精緻。驚くほどのテンションで曲に切れ込み小品をして唸らせる。
ガイドコメント
ロシアの往年の名チェリスト、ダニール・シャフラン(1923〜88)が残した60年代の貴重な録音。アンコール小品集で彼の素晴らしいテクニックとロマンティックな音楽性を知る。
収録曲
01アリア (ヘンデル)
02チェロと通奏低音のためのソナタ第5番 (ブレヴァル)
03子供の情景op.15〜トロイメライ (シューマン)
04「幻想小曲集op.73」より (シューマン)
05「6つの小品」〜感傷的なワルツop.51-6 (チャイコフスキー)
06ノクターン (レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ)第20番嬰ハ短調 (ショパン)
07ヴォカリーズ-ハバネラ形式のエチュード (ラヴェル)
087つのスペイン民謡 (スペイン民謡組曲)より (ファリャ)
09スペイン舞曲集〜アンダルーサop.37-5 (グラナドス)
10前奏曲集第1集〜ミンストレル (ドビュッシー)
11アルベニス風に (シチェドリン)
123つのオレンジヘの恋op.33〜行進曲 (プロコフィエフ)
13弦楽四重奏のための小品集〜チョングリ (ツィンツァーゼ)
演奏
ダニール・シャフラン(VC) ニーナ・ムシニャン,アントン・ギンズブルグ(P)