ミニ・レビュー
戦後のバイロイト音楽祭黄金期を牽引した、カイルベルトの指揮する「ニーベルングの指環」。各楽劇が順次発売されるたびに、ヴァルナイ、ホッター、ヴィントガッセンをはじめとする綺羅星のごとき名歌手の演唱に酔い、充実した管弦楽の響きを堪能した。ここに序夜と三部作全編がCD14枚のセットとして完結。あらためて「ラインの黄金」から「神々の黄昏」まで、14時間を超える壮大な音楽劇を聴き通して深い感動を覚えるとともに、51年前のライヴを鮮明な録音で満喫できる幸せを痛感する。人類の遺産として不変の価値を持つ演奏である。★
ガイドコメント
第二次大戦後のバイロイト再開間もない、1955年の貴重なライヴ録音。しかもステレオ録音ということで、当時大いに話題となった。当初分売されていた作品が、一気に楽しめるBOXだ。
演奏
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バイロイト祝祭管弦楽団 バイロイト祝祭合唱団 アストリッド・ヴァルナイ,グレ・ブラウエンスティン(S) ゲオルギーネ・ミリンコヴィチ,マリア・グラーフ(A) ラモン・ヴィナイ,ヴォルフガンク・ヴィントガッセン,パウル・クーエン(T) ハンス・ホッター,グスタフ・ナイトリンガー,ルドルフ・ルスティヒ,ヨーゼフ・グラインドル(BS)他