クーラ・シェイカー / K

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クーラ・シェイカー / K
CD
ミニ・レビュー
ちょっとヒネた風情を持つ英国ポップ・ロック・バンドのデビュー作。ヴォーカリストはインド哲学にご執心だそうだが、ときにインド調の曲調もあったりして。ちょっと斜に構えた情熱のほとばしり、疾走感の出し方にはなかなかのもんがあります。
収録曲
01HEY DUDE
1960年代ロックの旨味をベースにしたサウンドに、ぷんぷんと漂うインドの芳香。彼らのイギリス、日本での成功を決定づけた問答無用のグルーヴ突出ナンバー。呪文のような歌詞の一節は、ガンジーの言葉がヒントになった。
02KNIGHT ON THE TOWN
彼らのインド原理主義がもたらすラーガ・ロック・ムードが、90年代的ブリティッシュ・グルーヴ・ロックの上に被さるナンバー。サウンドだけなら真っ当なロックなのに、漂う異国情緒がどこか奇妙なのだ。
03TEMPLE OF EVERLASTING LIGHT
初詣のキャッチ・コピーにもなりそうな後光射すタイトルが印象的。アコースティック・ギターに導かれて登場するインド楽器の旋律にリズム隊のロックな轟音が加わる国際協調グルーヴがうずまくナンバー。最初に感じる違和感は繰り返し聴けば霧散していく。
04GOVINDA
インドの神様クリシュナの別称をタイトルに冠した曲で、歌詞はクリシュナを称えるマントラをヒンズー語で詠ったものだそう。腕がくねくねするような“どインド”な曲調と、タイトなグルーヴとの組み合わせが異色。
05SMART DOGS
魅力的なギター・リフとカッティングが多く詰まったグルーヴ・ナンバーは、彼らにしては珍しくインド臭が希薄。アロンザの弾くベースが終始存在感を放ち、楽曲のソリッドな雰囲気をより魅力的に仕上げている。
06MAGIC THEATRE
ひと昔前のメロドラマで聴いたことがあるような哀しげなピアノが曲を彩る。天上から降りそそぐような女声コーラスが聴き手の気分を鎮め、そして瞑想へ至らせる。「INTO THE DEEP」の前奏的役割も果たす神秘的楽曲だ。
07INTO THE DEEP
1960年代ロック原理主義的な楽曲が多いデビュー作『K』の中で、1970年代ロック、それもプログレッシヴ・ロック的なエッセンスを感じさせてくれるのがこの曲。ゆるめのグルーヴに乗せ、精神の解放をうながす詞が紡がれる。
08SLEEPING JIVE
インドの高名な音楽一族に生まれたワジャーット・カーンがサロードを弾くインスト曲。かなり本格的なインド音楽スタイルでロックの匂いも皆無な曲なのだが、クレジットを見るとメンバー四人の名がしっかりと存在する。
09TATTVA
冒頭から唱えられるマントラは聖人チャイタニヤが残したもので、クリスピアンがインドで出会った人物に教示された。マントラに同調したグルーヴが催眠的なこのラーガ・ロックは、あまりにも個性的なためフォロワーも生まれていない。
10GRATEFUL WHEN YOU'RE DEAD | JERRY WAS THERE
“目をつぶればジミ・ヘンドリックス”なギターが火ぶたを切るナンバー。持ち前のグルーヴでぐいぐい突き進んだかと思えば、サイケな後半部で急減速。タイトルから想像がつくように、ジェリーとはジェリー・ガルシアのこと。
11303
ひたすら車(設定がベンツであるところにクーラらしさが!?)を走らせる歌詞そのままの疾走ナンバー。コーラス・ワークやワウを効かせたギターなど、1960〜70年代ロックのエッセンスを無邪気に消化した小技の連続攻撃が光る。
12START ALL OVER
異国情緒が色濃く漂う彼らの他の曲と比べると個性の点では弱いが、メロディの魅力では引けを取らない。彼らにしては珍しいくらいに正面から失恋が歌われているうえ、ブルージィな曲調も新鮮に感じられる。
13HOLLOW MAN PARTS 1&2
インド趣味が飛び道具のように飛び交うデビュー作『K』を、静かに締めくくる壮麗なナンバー。かと思いきや、4分を過ぎたころには突如としてグルーヴィに。小爆発が1分ほど繰り返された後、再び安穏とした展開へ戻る。
14RAGEY ONE
かつてはデビュー作『K』の日本盤でしか聴けなかった貴重曲。ベスト盤収録時には「Raagy One」と表記変更された。世の中への不満に対して、“明日になればどうにかなる”と逃避する人々を歌った曲で、サウンドは得意の“インド×イギリス”調。
アーティスト
  • クーラ・シェイカー
    英・ロンドン出身のロック・バンド。メンバーはクリスピアン・ミルズ(vo,g)、アロンザ・ベヴァン(b)、ポール・ウィンターハート(ds)、ハリー・ブロードベント(key)の4名で構成。バンド名は9世紀インド皇帝の名に由来し、インド音楽をブレ……
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