ミニ・レビュー
ジャズのソノリティを西欧流に構造化した、というよりは、圧倒的な饒舌、とめどない響きの運動への欲求を魁異に貶めないためにはジャズの巷色が潤滑剤として必須だったと思しき超絶情動のソナタ。今後は作曲に専念というわけで、これが自演録音のラストとか。
ガイドコメント
ジャズ風の作品で知られるロシアのコンポーザー・ピアニスト、カプースチン。年齢による衰えから今後は作曲に専念するという彼が、最後に臨んだ録音が登場。演奏活動からの引退が信じられない超絶技巧と響きの美しさに圧倒される。
収録曲
カプースチン:
01ピアノ・ソナタ第7番op.64
02子守歌op.65
033つの即興曲op.66
043つの練習曲op.67
05即興曲op.83
06ドゥヴォイリンの主題によるパラフレーズop.108
07ピアノ・ソナタ第12番op.102