ミニ・レビュー
トローバの「スペインの城」はスペインの土地とその地に息づく空気までも精妙に写し取った作品である。新井はこの曲に“魅入られた”といってもいい。彼自身が校訂した楽譜による全曲(14曲)演奏。高い技術以上に味のある“うた”が漲る絶品の演奏だ。
ガイドコメント
新井伴典の2ndアルバム。比較的珍しいトローバの「スペインの城」を中心に据えたスペイン作品集。ラテン音楽には欠かせない切れの良いリズムと持ち前の透明度の高い音色は、ここでも活きている。
収録曲
01組曲「スペインの城」 (トローバ)〜アルバ・デ・トルメス (吟遊詩人の歌)/松のロマンス/モンテマヨール (静思)/セゴビアの王城 (召集)/ハビエール (エボカシオン)/レダーバ/サフラ (幻影)/オリーテ (高貴な王の祭り)
02ソナタ ニ短調op.61 (トゥリーナ)
03組曲「スペインの城」 (トローバ)〜シグエンサ (王女は眠る)/トゥレーガノ (山唄)/マンサナーレス・エル・レアル (美しい乙女に)/アルカニス (祝祭)/シマンカス (女手品師)/カラトラーバ (祝祭)/トリーハ (悲歌)
04ソナタ・ジョコーサ (ロドリーゴ)
05ロマンティックな情景〜子守唄 (グラナドス)