ミニ・レビュー
お気楽な“小品集”にあらず、心して聴かれよ! このアルバムの本質は、ヴァイオリンのそれでもある“歌う”にあるとするホープ。歌の原点を求めてバロック時代の広いフィールドに立ち入り収集してきた小品たちであれば、ひとつとして疎かには聴けない。★
ガイドコメント
ホープのDG移籍第3弾。バロック時代に飛躍的な発展を遂げたヴァイオリン演奏と作品に焦点を当てた、知的な刺激も得られるコンセプト・アルバム。バッハ、パッヘルベル、ヘンデルの名曲からひねりのある曲まで、ホープらしい選曲が活きた作品だ。
収録曲
01チャッコーナ (ファルコニエーリ)
02サラバンダ HWV437 (ヘンデル)
03リチェルカータ第2番 (オルティス)
04甘美な旋律 (ファルコニエーリ)
05様々な楽器のための教会ソナタと室内ソナタに分けられたジャンルop.22〜3声と4声のパッサカリオ (マリーニ)
06昔のサラバンダあるいはチャッコーナによる様々な変奏 (マッテイス)
07カノンとジグ (3つのヴァイオリンと通奏低音のための) (パッヘルベル)
08ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための協奏曲イ短調 (テレマン)
09無伴奏ヴァイオリン・ソナタ、ソナタ第3番〜鐘の模倣 (ヴェストホフ)
10ヴァイオリンのためのエア集、第4巻、組曲ヘ長調〜スコットランド風ユーモアに基づくグラウンド (マッテイス)
11合奏協奏曲第5番ト短調 (アルカンジェロ・コレッリのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタop.5-5の編曲) (ジェミニアーニ)
12ナポリのガリアルダ (ヴァレンテ)
133声のパサカージェ (ファルコニエーリ)
14タンブラン (ルクレール)
15グリーンスリーヴズ・トゥ・ア・グラウンド (作者不詳)
16ソナタ イ長調 (戦い)〜その壮大でかくも名声を博した戦い (ヴェストホフ)
17無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集、ソナタ第2番〜リュートの模倣 (ヴェストホフ)
18管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068〜エール (J.S.バッハ)
演奏
ダニエル・ホープ(VN) ヨーロッパ室内管弦楽団のソリストたち 他