ミニ・レビュー
バッハとケージ。ともに創意旺盛な音楽家たちを刺激して止まない存在だが、取り合わせた企画は久々か。バッハは解釈よりもほとんど“表情”を感じさせない音の動きが斬新。ケージは生音に電気的加工を絡めた響きの選び方がじつにイマジネイティヴで「ある風景の中で」など絶品。楽しみな俊英だ。
ガイドコメント
クラシックやテクノなどジャンル・レスにその才能を発揮するピアニスト、トリスターノのメジャー・デビュー・アルバム。ここでもバッハとケージを交互に並べて間に自作を収録。新時代を象徴するように、奇才が躍動する。
収録曲
01イントロイト (トリスターノ)
02パルティータ第1番変ロ長調BWV825 (J.S.バッハ)
03ある風景の中で (ケージ)
04四季 (ケージ)
05デュエット第1番ホ短調BWV802 (J.S.バッハ)
06デュエット第2番ヘ長調BWV803 (J.S.バッハ)
07デュエット第3番ト長調BWV804 (J.S.バッハ)
08デュエット第4番イ短調BWV805 (J.S.バッハ)
09南のエチュード第8番 (ケージ)
10インターリュード (トリスターノ)
11フランス組曲第1番BWV812から (J.S.バッハ)