ミニ・レビュー
ホルン奏者から転出した異色のテノール、フォークトのワーグナー・アルバム。“ヘルデン・テノール”としてはやや優男風で軽い。肉食系というよりも草食系に近いが、それも新味がある。パワフルな従来型と比べればワーグナーの印象も聴きやすく変貌する。ただし「指輪」でのキャラには賛否があろう。
ガイドコメント
ドイツが生んだ21世紀のヘルデン・テノール、フォークトのソロ第2弾。2013年に生誕200年を迎えるワーグナーの作品集で、澄みきった声と豊かな表現力を遺憾なく発揮した充実の内容だ。ノットとバンベルクso.のサポートも見事。
収録曲
ワーグナー:
01「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜「はじめ!」と春が森に我らをいざない寄せる声響く
02「ニュルンベルクのマイスタージンガー」〜冬の日の静かな炉辺で
03「ローエングリン」〜わが愛する白鳥よ!
04「パルジファル」〜アンフォルタス、あの傷!
05「パルジファル」〜ただ一つの武器だけが
06「リエンツィ」〜万能なる父よ、見おろして下さい!
07「トリスタンとイゾルデ」〜おりきておくれ、愛の夜
08「さまよえるオランダ人」〜忘れてしまったのだろうか?あの谷へ君を呼び寄せた日のことを
09「神々の黄昏」〜聖なる花嫁
10「ワルキューレ」〜父上はわたしに刀を約束して下さった
11「ワルキューレ」〜君こそは春
演奏
クラウス・フロリアン・フォークト(T) ジョナサン・ノット指揮 バンベルク交響楽団 (7)(11)カミラ・ニュルンド(S)