ミニ・レビュー
杉谷の音色は、ピアノの打楽器的要素をいっさい感じさせない、あたたかくやさしい響きに満ちている。今回のアルバムの選曲はそんな彼女のピアニズムの魅力を最大限に発揮したものといえるだろう。“愛”や“祈り”を感じずにはいられない絶妙な選曲と配置も大変に魅力的。
ガイドコメント
“クラウディオ・アラウ最後の弟子”とされるピアニスト、杉谷昭子の小品集第4弾。自身の編曲も含め、バロックからピアソラまで、多彩な曲が並ぶ。ベテランならではの丁寧な語り口で、それぞれの曲の魅力を余すことなく表現している。
収録曲
01カッチーニのアヴェ・マリア (ヴァヴィロフ/杉谷昭子編)
02歌曲集「リーダー・クライス」op.39〜異郷にて (シューマン)
03「無言歌集」op.30〜ヴェニスの舟歌 (メンデルスゾーン)
04ハンガリー風メロディD.817 (シューベルト)
05歌劇「タンホイザー」〜夕星の歌 (ヴァーグナー)
06プレリュードBWV999 (J.S.バッハ)
07チキリン・デ・バチン (ピアソラ)
08イェルサレム (ヒューバート・パリー/A.Howe、杉谷昭子編)
09歌劇「愛の妙薬」〜人知れぬ涙 (ドニゼッティ)
10組曲第2巻第4番ニ短調HWV437〜サラバンド (ヘンデル)
11マズルカ イ短調op.17-4 (ショパン)
12ワルツ ロ短調op.69-2 (ショパン)
1318の練習曲op.109〜ゴンドリエの歌 (フリードリヒ・ブルクミュラー)
14こどものためのアルバム〜サラバンド (ギロック)
15アルビノーニのアダージョ (ジャゾット)
録音
(1)(3)(6)〜(14)2016.6 (2)2014.4 (4)(5)2016.5 (15)20