ミニ・レビュー
真摯な音楽に対する姿勢、あふれる歌心、それを支える精緻な技巧を兼ね備えた川畠。彼がデビュー以来の音源を振り返り選曲したコンピレーション盤だ。どこか一つの物語を構築するような曲の配置、選ばれた作品の多彩さはもちろんだが、川畠の演奏の歴史と“深化”の過程をあらためて意識することができる。
ガイドコメント
ヴァイオリニストの川畠成道がこれまで発表したアルバムから選んだ12曲に、未発表の4曲を加えた自身初となるコンピレーション・アルバム。99年のデビュー・アルバム『歌の翼に』から、2015年の『無伴奏の世界』までの軌跡を辿ることができる。
収録曲
01アンダルシアのロマンスop.22-1 (サラサーテ)
02ヴァイオリン協奏曲集「四季」より第1番ホ長調RV.269「春」〜第1楽章 アレグロ (ヴィヴァルディ)
03エストレリータ (ポンセ/ハイフェッツ編)
04ラ・カンパネラ (パガニーニ/クライスラー編)
05即興曲op.90-3 (シューベルト/クライスラー編)
06なつかしきウィーン (ゴドフスキー/ハイフェッツ編)
07歌の翼にop.34-2 (メンデルスゾーン/ハイフェッツ編)
08コンソレーション (慰め) (リスト/ミルシテイン編)
09ニーグン (ブロッホ)
10ハンガリー舞曲第1番 (ブラームス/ヨアヒム編)
11合奏協奏曲集「調和の霊感」ニ短調op.3-11 RV.565〜ラルゴ (ヴィヴァルディ)
12愛の悲しみ (クライスラー)
13ひばり (ディニーク/寺嶋陸也編)
14精霊の踊り (グルック/クライスラー編)
15ルーマニア民族舞曲 (バルトーク/セーケイ編)
16アヴェ・マリア (グノー/サエンゲル編)
演奏
川畠成道(VN) (1)(9)(13)(15)ロデリック・チャドウィック,(3)〜(8)(10)〜(12)(14)(16)ダニエル・ベン・ピエナール(P) (2)マルコ・ボーニ指揮 ボローニャ歌劇場室内合奏団
録音
(1)(9)(13)(15)2007.1 (2)2005.8,9 (3)(5)(10)(11)(14