ミニ・レビュー
いきなりクララ・シューマンの作品を取り上げる秀抜な選曲。フランス近代の名品に焦点を当てた洒脱なアルバムである。むろんオーボエの艶美な表現なくしてはその旋律の妙味は花開かなかっただろう。中村の歌心とテクニックが冴えわたる逸演揃い。音色の細やかな陰影を十全に生かし切った表現だ。
収録曲
013つのロマンス (C.シューマン)
02歌劇「ティレジアスの乳房」〜思い出す二人の歌 (プーランク&ボノー)
03クープランの墓〜1.前奏曲/2.フォルラーヌ/3.メヌエット/4.リゴードン (ラヴェル/C.シュミット編)
04いやな気取り屋の3つのワルツ〜第2曲 彼の鼻眼鏡 (サティ)
05アルページュop.76-2 (フォーレ)
06ムーランルージュの歌 (オーリック/斎藤雅広編)
07オーボエ、ファゴットとピアノのためのトリオ (プーランク)
08オーボエ・ソナタ (プーランク)
09リーダークライスop.39〜春の夜 (シューマン)
演奏
中村あんり(OB) 斎藤雅広(P) 霧生吉秀(FG)