ミニ・レビュー
サックス属特有のアクの強さを幾分抑え、さながらチェロか男声のように、渋い中低音で落ち着いた歌を歌う。その意味ではタイトル通りの盤である。選曲も少し懐かしめで味があるが、高橋悠治や野平一郎のピアノも聴きものである。こういう演奏ができる人をアダルトというのかもしれぬ。
収録曲
01エヴォカシオン〜ペルヴィエンヌ (トマジ)
02わが母の教えたまいし歌op.55-4 (ドヴォルザーク)
03白鳥 (サン=サーンス)
04チェロ・ソナタop.19〜アンダンテ (ラフマニノフ)
05愛の悲しみ (クライスラー)
06シンコペーション (クライスラー)
07タイスの瞑想曲 (マスネ)
08楽に寄せて (シューベルト)
09詩人の恋op.48〜美しい五月に/ばらよ、ゆりよ、鳩よ/私の心をゆりの杯にひたそう/聖なるラインの流れに/明るい夏の朝に (シューマン)
10トロイメライ (シューマン)
11歌曲集「青年時代」〜星よ、お前はどこに (ムソルグスキー)
12民衆に訴える (高橋悠治)
演奏
栃尾克樹(BRS) 高橋悠治(2)(3)(5)〜(7)(14)(16),(4)(15)山田武彦,(8)〜(13)野平一郎(P)