ミニ・レビュー
別の楽器のために編曲された版が有名になった2作と、複数の独奏鍵盤作品をブランデンブルグ協奏曲5番に模して仕立てた編作。いわば編曲の技の妙、元の姿との印象の違いが別物の楽しみをもたらす渋味の佳品。往年名うての独奏者たちが、新奇を弄さず、ゆるり目の運びの中でさらと音を解いて息づかせる。
ガイドコメント
編曲したチェンバロ協奏曲から復元したオーボエをフィーチャーした2曲の協奏曲が聴きもの。ピノックたちは、徹底した考察を経て、非常に完成度の高い復元を完成させている。演奏も歯切れのいい名演だ。
収録曲
J.S.バッハ:
01フルート、ヴァイオリン、チェンバロ、弦と通奏低音のための協奏曲イ短調BWV1044
02オーボエ、ヴァイオリン、弦と通奏低音のための協奏曲ハ短調 (2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調BWV1060から復元)
03オーボエ・ダモーレ、弦と通奏低音のための協奏曲イ長調 (チェンバロ協奏曲第4番イ長調BWV1055から復元)
演奏
トレヴァー・ピノック(指揮,HC) イングリッシュ・コンサート (1)(2)サイモン・スタンデイジ(VN) (1)リサ・ベズノシューク(FT) (2)(3)デイヴィッド・ライヒェンバーグ((2)OB,(3)オーボエ・ダモーレ)