ミニ・レビュー
あまたある《メサイア》の異稿の中からマクリーシュが選んだのは「捨子養育院版」(1754)。声楽(合唱と独唱)の物語性と音的繋がりが明解だ。「完全に現代的なものにしようと意図した」とのマクリーシュの言葉通り、ヘンデルの音楽、ジェネンズの言葉にも、新たな命が吹き込まれたように響き渡る。
ガイドコメント
ヘンデルが関わった最後の版、1754年捨子養育院版を使用している。編成は小さく、圧倒される音量での感動はないが、合唱もソロも高い技術に支えられ、清澄な響きに満ちあふれ、心に染み入る演奏となっている。
収録曲
ヘンデル:
01メサイアHWV56 (1754年捨子養育院版)
演奏
ポール・マクリーシュ指揮 ガブリエリ・コンソート&プレイヤーズ ドロテア・レッシュマン,スーザン・グリットン(S) ベルナルダ・フィンク(A) チャールズ・ダニエルズ(T) ニール・デイヴィス(BS)