
81年からソロ活動も行なっている井上 鑑のソングライター/アレンジャーとしての作品をまとめた2枚組。彼の名を高めた「ルビーの指環」は本家の寺尾 聰ではなく、鈴木雅之のカヴァーで聴けるのも新鮮だし、大瀧詠一関連の楽曲が目立つのも彼のキャリアを大きく反映したものだ。

キーボーディストであり、また数え切れないアーティストの作詞作曲、アレンジを手掛けて来た井上 鑑の“仕事”を集めた2枚組コンピレーション盤。薬師丸ひろ子、井上陽水、吉田美奈子、鈴木 茂など、とにかく凄い顔ぶれだが、福山雅治の名曲「クスノキ」がニュー・ヴァージョンで収録というおまけも。★

数々の輝かしい実績をもつ、日本を代表するプロデューサーによる11年ぶりのオリジナル・アルバム。気心の知れた日英の大物ミュージシャンを従え、自身の趣味性をひたすら追求。唯一無二の知的で精密なサウンドを作り上げている。全編でフィーチャーされているヴォーカルの存在感にも引き込まれる。

日本屈指のキーボード奏者/アレンジャーが86年に発表したコンピレーション。82年から85年にかけてリリースした4アルバムから選んだナンバーを「UNDULATION I〜V」という“間奏曲”でつなぎ、今回のCD化にあたりアナログ・シングルのB面曲を2トラック追加した。変幻自在の音楽性に酔える。

横尾忠則がジャケットを手がけた85年発表の4作目にはジョン・ギブリン、アラン・マーフィ、山本秀夫がユニット・メンバーとして参加。テーマとなる自然と人間をはじめ、東洋と西洋、緻密さと偶然性が共存する作品は、多様性ゆえの懐の深さを感じずにはいられない。

アレンジャーとして地位を固めつつあったキーボード奏者が『CRYPTOGRAM』(82年)に続いて83年に発表したソロ3作目。ワーグナーの作品を参考にした「さまよえるオランダ人のように」をはじめ、小説や映画などにヒントを求めた楽曲が多く、洗練されたサウンドでも想像力を喚起する。

名キーボード奏者/音楽プロデューサーとして知られる井上鑑が82年に発表したセカンドのSHM-CD版。初のロンドン録音でジョン・ギブリン(b)やイアン・ベアンソン(g)らが参加するなか、芳醇でハリのある、奥行きと広がりのある音が魔法的にスーッと沁み込んでくる。35年前とは思えない新しさ!

寺尾 聡、福山雅治、THE ALFEEなどのプロデュースを手掛けたことで知られる井上 鑑が82年に発表したファースト・ソロ・アルバム。AOR、フュージョン、ハード・ロックなどの要素を取り入れた緻密なサウンドアレンジ、井上、山木秀夫(dr)、岡沢 茂(b)、今剛(g)などの卓越した演奏を堪能できる。

重鎮3人が肩の力を抜いて自由で清々しく、時に激しい音空間を創り出す。レノン&マッカートニーの名曲では、あの時代の情景、風俗がシタールを模倣したサウンドで甦る。聴く方の音楽体験のどこかにちりばめられた“時間”が、収録曲によって浮き出てくる、そんな演奏。しかも、ちょっとの隙もない。

日本有数の進学校の野球部が、弱いながらに甲子園を目指す日本テレビ系TVドラマのサントラ。音楽担当は井上 鑑。サウンドはストリングスやピアノ、オーケストラを使い、どこか厳か。これまでの学園ドラマとはちょっと違う風合いで興味深い。野球モノなのにガツガツしていない、汗臭くない音楽である。

“いのやまだいこん”の第2弾。日本を代表するファースト・コールのセッション・ミュージシャンたち(井上鑑、山木秀夫、高水健司、今剛)による本気フュージョン・ユニット。さまざまな音楽ジャンルでのセッション経験豊富な4人が持ち寄る変幻自在なフュージョン・ワールド。演奏の緻密さは保証済み。

日本テレビ系ドラマ『泣くな、はらちゃん』のサントラ。音楽担当は井上鑑。大瀧詠一をはじめ、多くの名アレンジで知られる井上だけにニューオーリンズっぽい「Navarre Forever」などひねりの利いた多彩な楽曲を聴かせる。挿入歌「私の世界」は心に沁みる名曲。

タンゴを核とした本盤、選曲にも響きにも多様性が感じられる。松本の演奏スタイルを実に効果的に聴かせるプログラミングではないだろうか。彼女の音色は情熱的な面とクールな面とが巧みに融合。ここまで妖艶な「シシリエンヌ」には初めて出会い、小粋な「ルビーの指環」にはニヤリとさせられた。

松原正樹、本多俊之ら、日本のジャズ〜ポップス・シーンのキラ星が村上秀一のもとに再集結(2010年7月/ビルボードライヴ東京)。奔放な演奏(8曲が新曲)の中、松原のブルース・フィーリング、本多のソプラノの疾走と、小気味良い応酬が続く。リラックスしながら熱くなれる、彼らの底力。

快適で豊かな毎日を過ごすために、この音楽がある。1千年前に生まれた日本に現存する最古の医学書『医心方』をベースにし、“人生は美しくありたい”というコンセプトで井上鑑が美しく紡ぐインストゥルメンタル。身体に染みこむ音の粒子が心地よい。お香付き。

本田美奈子.追悼シングルCD&DVDの2枚組。2006年8月30日、東京・なかのZEROホールでライヴ形式で収録された。福山雅治、坪倉唯子、高尾直樹のヴォーカルが、井上鑑をはじめとする実力派ミュージシャンの演奏に乗って切々と流れ、心に染み込む。

多数のヒット曲に関わってきた音楽家が、純粋に自身の求める音楽をまとめたソロ作。吉田兄弟の津軽三味線をファンキーなサウンドに盛り込み、チャド・ブレイクがミックスした(1)、今剛のマンドリンが牧歌的な風景を描きだす(8)ほか、自身の才能と人脈を結集した曲が並ぶ。

アレンジャー、キーボード奏者として活躍している井上鑑が、気心の知れた日英のミュージシャンらと88年に制作した、ポップ・サウンドを駆使したコンセプト・アルバムの復刻。カタロニア民謡「鳥の唄」での故・井上頼豊(鑑の父)によるチェロ演奏は聴きもの。

森繁久彌の朗読CDが話題となった『葉っぱのフレディ』のピアノ・アルバム。井上鑑というアーティストがこの作品をどのように消化し、自分の音楽として仕上げたかを考えながら聴くと、興味深いものがある。繊細な感覚に満ちた、ホッとさせられる作品。

作曲家&コンポーザーの井上鑑が、イエローモンキーのヒット曲の数々を、バンドとストリングスを混ぜ合わせたオーケストラ編成を率いて指揮したのが本作。バンド演奏を加え、音にダイナミズムを出してる点が、たんなるインスト物とは確実に一線を画すところ。

珍しく井上鑑がドラマの音楽を担当した日本テレビ系の『ガラスの靴』のサントラだ。ピアノやストリングス、アコーディオンなど生楽器の音色の持つ馴染みのよい肌触りを巧みに使い、じめつきそうなストーリーに対し覚めた情感の音楽で均衡を作っている。

アルファベットの縦組みは読むのに苦労した。どうせやるなら作家のクレジットもアルファベットでやっちくれ。それとも、これがデザインか!? バブルがはじけた現在、リゾート(音楽)という言葉も何やら手アカのついたふうで、ちっとも心が洗われないのだ。

売れっ子ギタリスト、吉川忠英と人気アレンジャー、井上鑑の2人が織り成す和みのインスト集。それぞれがCMに提供してきた楽曲などをごくシンプルに料理。タイトル通り、(2)は「午後ティー」のCMでおなじみのあの曲。吉川忠英の生ギターのうまさが光る。

井上鑑の3枚目のCDはベストとなっているが、シンセサイザーを駆使して独自の世界を築いている。これぞフュージョンという感じだが、随所に挿入されるUNDULATION(I〜V)が効果的。現代人の感情の起伏というのはこういうものなのかと感じさせる。

井上鑑のプロデュースによる“井上鑑ユニット”のアルバム。メンバーは井上、ジョン・ギブソン、アラン・マーフィ、ヤマキ・ヒデオの4人。以前から、バンドで音楽造りをしてみたいと言った、それの第1作がこれ。コンセプショナル・アート風にとれる。

2年ぶりのソロ。サイモン・フィリップス(元ブランドX)、ジョン・ギブソン(シンプル・マインズ)の他、家族の客演もありの落ちついた歌ものという展開が清々しい。音のクオリティは良くて当り前の時代だから、これが正解。(7)がベスト・トラック。

音楽とアートが合体した。井上鑑に浜田省吾、尾崎豊の作品をロンドンと東京で録音し、サウンドもロンドンのビートに琴が乗って今の東京イメージ¥3,200。アートはサイトウ・マコトによる70ページに及ぶグラフィックが東京をイメージ¥1,800。分売不可。

SFアニメ映画『レンズマン』のサウンドトラック・アルバムがこれ。音楽監督は井上鑑で、テーマ曲の「スターシップ」をアルフィーが担当し、他は全曲井上の作・編曲。軽いタッチの曲が多いが、映像との関連を考えたサウンドになっているようだ。