
すでに懐かしさでいっぱい、80年代の徒花だったWINKのベスト。WINKがユーロビート全盛の時代に活躍したことが、今さらながら感じられる。この“TREASURE COLLECTION”はポリグラム系4社のシリーズで、13組のベスト盤が同時リリースされた。

2年前の『Wink現象』とも言える人気爆発期に比べると安定期に入った感のWinkさんですが、アートワークを含め、ヴォルテージの保持には神経使ってます。ビーチ・ボーイズの(5)をはじめ、カヴァーセンスも相変わらずグーよ。同時に物足りなさも少々。

相変わらず、いや、ますます良くできてます。全曲、あの、発情させるだけさせといて、あとは責任取らんというあやしいもやもやがいっぱい。つたなさが消えたぶん匿名性はがっちり増して、ほんと、プロの商品だわ。払っただけは損させないってことで。

ウィンク現象も一段落したところで、このA面コレクションを聴きつつ、コーヒーなぞすすると心和むよ。(1)や(2)の頃は地方営業に行ってもガラガラだったそうな。誰にも不遇時代はある。さぁ次はどう出る!!? 「思い出を愛してた」のシングルディスク付。

見た目通りにきゃしゃな鈴木さんがすぐにダウンしちゃうウィンク。いや、ホントお大事にね。ライヴ盤&ライヴビデオにつづく、待望の新作ですが、斬新な選曲で洋楽ものをカヴァーするというウィンクの方法論も衝撃度が薄れてきた。(1)(2)はカッコいい。

ウィンクのはじめてのライヴ盤。選曲もほとんどベストだし、懸念されたライヴにおける2人の歌唱もまずまずだし、ライヴ盤らしい雰囲気は伝わってくる。唯一、ヴィジュアル面の素っ気なさが気になるが、これは後発のビデオを買えということか。ずるいぞ。

ボーッとしながら聴いてると結構楽しいWINKのノンストップ・ミックスもの。ものすごい名曲という感じじゃないけれど、そこはかとなく可愛らしい佳曲が多い。それはそのまま彼女たちの得難いキャラクターでもあったのだ。エディットはYUTENJI RMX。

キャンディーズも歌っていたデビュー曲[1]−(1)から、ラスト・シングル[2]−(12)まで、ウィンクのシングルを全曲リマスタリング。ユーロ・クィーンとしてチャートに君臨していた頃も悪くはないが、後期の[2]−(7)とかのフォーク風の方が彼女たちらしい気がする。

ここまでくると「しぶといなぁWink」なんて言えません。当時の最新曲(1)(17)を含む最後期ベスト(1996年3月活動停止)。杉真理が作曲した(17)が佳曲。往年の激しいインパクトはさすがに薄れたけど、このまま「ミドル・オブ・ザ・ロード」を極めてほしかった。

WINKもリミックスでクラブ対応だ。派手目でカッコいいのから、トランス系まで、あれこれとりそろえております。以前にも書きましたが、原曲破壊度は大きなポイント。その点で言うと、すでにヴォーカルトラックのない(8)と(14)が双璧。かなり本気なのだ。

ユーロビートに及川眠子の歌詞をつけてカヴァーという基本姿勢に戻ったWinkの新譜。(4)はルーファスのカヴァーだそうですが、無茶苦茶おとなしい曲やんけ。シングルの(10)もおとなしいなぁ。MSTがアレンジした(11)くらい派手な曲をもっとやって欲しい。

B面で 改めてわかる 曲の良さ。なんちゃって、WINKのB面コレクションです。曲順はランダムですがコンプリート収録。[2]−(10)は懐かしの名曲、「500マイル」なんですが、これをユーロビートでカヴァーしても下手物にならないところが彼女たちの魅力。

ウィンクも60〜70年代の世界へ…というテーマ。モロな世界なのはビートルズ調の(1)(6)、ジャズ・ファンクの(2)、サイケGSの(4)、そしてクイーンの(10)くらい。苦しまぎれのレトロ対応ではない。ライナーの2人が若干疲れ顔なのがちょいと痛々しいね。

ある程度夏という季節を意識してるのだろうか、全体的にライトタッチでアコースティック感覚の涼しげな楽曲が中心となっている本作。曲調もオールドポップス調な楽曲の中に、今風の味つけをしてあるのがグッド。一種この季節にピッタリの清涼材的作品だ。

アンプラグドなカレッジ・フォーク((1))をやったり、ドーナツ屋さんのカウンターで歌ったりしながら毎日頑張っていたこの頃のWINK。これは新装ベスト・アルバム。1曲あたり160円弱と値頃感バツグンだった。明解ロケンロールの(5)がよござんすね。

人生浮き沈みはあるものですが、ウィンクも低迷期を抜け、(7)で返り咲いたと思ったらアルバムも出来がいいんだな、これが。二人の表情も明るい。楠瀬誠志郎の(2)とオズニー・メロの(4)が良い。(10)の何気ないかわいらしさもよい。88年デビューか。長いよね。

お人形さんみたいだった二人も、すっかり艶っぽい女性になっちゃって、母さんは嬉しいよぉ。アニメ「ツヨシしっかりしなさい」のテーマ曲(1)から始まっていろんなタイプの曲が飛び出します。翔子ちゃん作の(10)は可愛いっ。ファンはたまらんでしょうな。

人形風のルックスと動き、ユーロビート調の音楽で一世を風靡したデュオ、WINKのシングルA面セレクション。セカンドシングルの(13)はベッツィ&クリスみたいでエグい。聴いた後に「お疲れさまでした」と言ってあげたい1枚。

もちろん元から妙な暗さがポイントの彼女らではあったが、さらに深く沈みこむような深海魚のごときムード。歌うほうも聴くほうも、これにハマると抜けられんだろうな、とは思うが、このセンもそろそろ時代からズレはじめている感じは確実に漂っている。

個々のソロアルバムの谷間にあたるオリジナル作。かたくなにユーロ調単拍子を固持する芸風の影でコーラスによる表現の広がりがぐっと進化していて驚きすら感じる。ゴージャスなサウンド・プロダクツをしっかり受け止め空かす声帯のコントロールも変幻自在。

2人の写真は遺影のようだといった友人(当然ファン)がいた。はかなげな表情がイイのだろうね。結局それがユーロ路線から飛び越えられなくしてしまった要因ともいえるが、本リミックス盤を聴いたら別にそのままでもいいんじゃないかという気が…。

ふたりの最近のオフのすごし方は、サッちゃんが自宅で音楽&ビデオ三昧、翔子は友達とドライヴと対照的。だが、ふたりとも一時に比べるとずいぶんフツーの女の子っぽくなってきた。それがいいことなのか悪いことなのか。ロシア民謡調の(10)のみ破壊力あり。

ミニ・アルバムだから無駄がない。背のびぎみおろかなオトメ心がふるえているが、ダブルで他愛なく責められちまっちゃぼんやり聴いているしかないかしら。二人でやってる優位性が感じられないのはちとさみしいもんだ。選曲もフツーすぎるんじゃない?

2人の少女WINKのこのアルバム、アイドルのあるべき姿を素直に示しています。可愛いさを楽曲を通して表現しようとしている意図は買いたい。6曲のカヴァー曲を含めて、女のコ・デュオならではのキュートさを出そうとしている。思惑はよくわかる。