元レインボーのリッチー・ブラックモアが妻のキャンディス・ナイトと活動するユニットの10作目。ルネッサンス音楽に通じる中世の吟遊楽団的世界。アコースティック・ベースの音像は心地よく、幅広いリスナーに訴求するもの。独特のギター・フレーズが随所で飛び出すのも嬉しい要素だ。

リッチー・ブラックモアとキャンディス・ナイトの夫婦ユニットが2011年９月、英国ヨーク市のグランド・オペラ・ハウスで行なった公演を収めたライヴ盤。リッチーのギターも、ナイトの歌声も気負ったところがなく、伸びやかに中世音楽とロックを融合させた心地よい調べと歌を聴かせる。

ファンからプレゼントされたカセットを通じて知ったというバルカン民謡や、ラルフ・マクテルの(10)は(見方によっては)いかにもだが、ジョーン・オズボーンの(7)を取り上げているのにはびっくり。やや通俗ながら、音楽家としての間口の広さをうかがわせる。

かのリッチー・ブラックモアによる中世趣味アコ−スティック・ユニットの第4作。今作でも素朴なフォーク・ミュージックからケルト&スパニッシュ&ジプシー風味まで、自由気ままな音の旅が楽しめる。古楽の翻案のほか、ジョーン・バエズのカヴァーも収録。

ブラックモアが中世吟遊詩人てか? ウソでしょ。確かに神妙風だけれど、何やら俗っぽくも下世話な心情くすぐる雰囲気がそこかしこ漂ってくるゾ。種明かし。かっこいいキメ・フレーズの快感がカレにもオレにも染みついているのだ。中世風正嫡英国ポップ。

R.ブラックモアと婚約者のC.ナイトによるプロジェクト作。中世ヨーロッパ音楽から影響された楽曲はバロック、牧歌的なトラッドなどで構成。ブラックモアのアコースティック・ギターとナイトの透明感あふれる歌声が中世にタイム・トリップさせてくれる。