ファック・ボタンズのアンドリュー・ハングを共同プロデューサーに迎えた７作目。そのせいか音作りに原点回帰したような印象もあるが、最初期のシンプルなエレクトロ・ポップ感と違うのは、作り込まれたシンセ・サウンドと、ほかの楽器とのナチュラルな共存具合。一聴して彼女と判る歌世界は変わりなく楽しめる。

ケミカル・ブラザーズやオービットらクラブ勢からエミルー・ハリスやドクター・ジョンといったミュージシャンまで、幅広くコラボを続けるシンガー・ソングライターのアルバム。プロデュースはジム・オルークで、自らのルーツであるフォーク・ミュージックを追求した良作だ。

いやー、やっぱり歌手はまず声だねえ、などと改めて言いたくなるくらい、この女性はやるせない気持ちにさせる。ドクター・ジョンやベン・ハーパーなど多くのゲストに囲まれたアコースティックな曲に、今っぽいビートが違和感なく混じるのもこの声あればこそ。★

UKクラブ・シーン、アンビエント・ハウス、テクノ・ハウスの第一人者ウィリアム・オービットがプロデュースした北欧の歌姫、ベス・オートンのデビュー作。優しくちょっとハスキーな声は、非常に魅力的。ハウスだけに止まらない曲調もなかなかのもの。