
細田 守監督のアニメ映画『未来のミライ』主題歌「ミライのテーマ」に、エンディング・ソング「うたのきしゃ」をカップリング。独特の発声に支えられた歌声に衰えがないのには、いつもながらに驚かされる。ライヴ音源収録の「僕らの夏の夢」で聴かせる、アコースティック編成がうれしい。

2017年第1弾シングルの表題曲は映画『ナミヤ雑貨店の奇跡』主題歌。達郎ヴァージョンが素晴らしいのはもちろんだが、カップリングに収録された、同映画に出演する門脇 麦が歌うヴァージョンが◎。物憂げでか細い声は、アシッド・フォークとか歌ってみたら映えそうなヴォーカルだ。

小林克哉の語りがナビゲートする、御大のサマー・ソング・コンピレーション第3集。実に33年ぶりのものとなるそう。「悲しみのJODY」「高気圧ガール」といった80年代の楽曲から2016年リリースの「CHEER UP!THE SUMMER」までを収録している。イラストはもちろん鈴木英人。

前作「光と君へのレクイエム」から約3年ぶりのシングル。自らプログラミングしたビートが押し出されたブリージンな表題曲は、フジテレビ系ドラマ『営業部長 吉良奈津子』主題歌。聴けば永遠の夏に溶け出しそう。自身が敬愛するフランキー・ヴァリの名曲をカヴァーしたライヴテイクをカップリング。★

いわずと知れたクリスマス・ソングのスタンダード。自身が音楽監修した映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』テーマ曲という話題性にかかわらず、ドゥー・ワップとソウル・ポップスをヤマタツ流に解釈した表題曲には永遠の輝きが宿る。同作劇中歌の竹内まりや歌唱曲を含むメドレーほか、聖夜を彩るに十分な一枚。

山下達郎が84年にリリースした同名サーフィン映画のサントラの30周年記念ヴァージョン。全曲英詞。半分を占めるビーチ・ボーイズのカヴァーが圧巻。『アルチザン』(=職人)というアルバムもあったが、山下達郎の音楽を聴くたびに、これはポップ・ソングの“工芸品”だなと思うのだった。

山下達郎による不朽の名曲「クリスマス・イブ」の30周年を記念したアニバーサリー・シングル。オリジナル・ヴァージョンとカップリングの「ホワイト・クリスマス」に加え、イングリッシュ・ヴァージョン、アコースティック・ライヴも収められたまさに「クリスマス・イブ」づくしの一枚。

松本潤と上野樹里出演の映画『陽だまりの彼女』主題歌へ書き下ろしたシングル。甘酸っぱい記憶が一瞬にしてよみがえるエバーグリーンな曲風は、ファンタジックなラブ・ストーリー映画にふさわしい以上に、ヤマタツの面目躍如。カップリングのバラードも含め、良質ポップの見本のような出来映えだ。

75年から2012年にかけて発表した数多くの名曲の中から達郎本人が49トラックを厳選した文字通りの“ベスト・オブ・ベスト”。最新リマスタリングによる音質は力強く温かみがあり、自ら記したライナーノーツも必読もの。今なお前進を続ける不世出のメロディメイカーに乾杯!

山下達郎が歌うTBS系ドラマ『新参者』の主題歌。これが悪いわけがないのだが、その粘るヴォーカル以上に、ドラマに合わせつつ普遍性を持たせた歌詞が印象的。2009年4月の中野サンプラザにおけるライヴの「ついておいで」、「街物語」のカラオケ・トラックとバッキングの演奏力も凄まじい。

音楽活動35周年の一環として発表されたシングルは、映画『てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡』の主題歌。スケールの大きさを感じさせるドラマティックなバラード・チューンで、重厚なハーモニーに支えられたエンディングのフェイド・アウトも見事。カップリング曲も新曲。

「僕らの夏の夢」「ミューズ」ともにタイアップのシングル。劇場アニメ主題歌とは思えぬほどシブい「僕らの夏の夢」、気骨あふれる歌詞が往年の名曲「蒼茫」を連想させる「ミューズ」と、“団塊に一足遅れた世代”ならではの曲が並ぶのが、歌う頑固親父ならでは。「アトムの子」はライヴ・ヴァージョン。ファンには損はさせない良心企画だろう。★

山下達郎がナイアガラに残した2枚のアルバムから、彼のヴォーカル曲だけを集めた80年のベスト盤。今回の再発は大瀧詠一がしっかり手がけているだけに、未発表のマスターやミックス、レア・テイクなどのお宝モノがてんこ盛り。アタックの強い音質も素晴らしい。★

「ずっと一緒さ」は“月9”主題歌としてすでに耳なじみだったはずだが、低音から始まるフル・ヴァージョンで聴くと、TVスポット版とは相当違った印象が。一人多重コーラスを駆使した「バラ色の人生〜ラヴィアンローズ」を含む英語曲を2曲収録と、シングルとはいえ、“達郎新作”として万事怠りない。

『ソノリテ』からのシングル・カットは2曲ともにホンダのCMに使用されている。突き刺すのではなく、しっとりと耳になじむようなサウンドが魅力。ファンへのサービスとでもいうべきカップリング曲は、99年のライヴ・ヴァージョン版「風の回廊」。

フジテレビ系、朝の情報番組『めざましテレビ』のテーマ・ソング。爽やかで大らかなメロディの達郎らしいポップ・チューンで、開いた窓から注ぎ込んでくる暖かな陽射しを浴びたときのような、心地よい気分にさせられる。限定生産なのでお早目に。

映画『東京タワー』のテーマ・ソング(1)と、フジテレビ系『金曜エンタテイメント』のオープニング・テーマ(2)をカップリングしたシングルで、前者では服部克久がストリングスの編曲を担当する。タイプこそ異なるが、いずれも香りたつような気品がある。

NHKアニメのエンディング(1)とオープニング(2)との新曲カップリング。竹内まりやが(1)の歌詞を書き下ろしたのも話題だが、結果、広義の“歌謡曲歌手”としての持ち味が前面に出てきたことのほうが、より重要なのでは。(2)は彼お得意のポップ・チューン。★

2年ぶりの新曲「フェニックス」のカップリング曲である、映画『恋愛寫眞』の主題歌「2000トンの雨」は、エアー・レーベル時代の曲だが、この2003年ヴァージョンでは、タツロウの曲、そして歌声は、決して古くなっていないと実感させる魅力を発散している。

泣く子も黙る80年発表の名曲が、ドラマ『GOOD LUCK!!』主題歌に使用され、マキシ・シングルで再発。最新リマスタリングを施され音のヌケも抜群。なお、カップリング(2)も82年のヒット曲(もちろんリマスター)だが、オリジナル・カラオケ(3)(4)は初出音源。

山下達郎のシングル曲、シングル・カップリング曲、未発表セルフ・カヴァーなど、こらまでにアルバム化されなかった音源集め、新曲を加えた編集盤。初回盤のみがカラオケ(スタック・オー・トラックス)CDとの2枚組仕様なので、なくならないうちに。

80年代初頭のヒット曲が、ドラマ『ロング・ラブレター〜漂流教室』とのタイアップを機に再登場。鈴木英人のイラスト・カヴァーがなつかしい。ところで最新PVで見事なステップを披露している少年隊の東山紀之のヒゲ面が、小坂忠とそっくりなんですが。

82年にリリースされた名作を山下自身の監修によってデジタル・リマスタリング、「あまく危険な香り」のTV用インストなどのボーナス・トラックを加えた再発盤。アメリカン・ポップスを継承するソング・ライティングと卓越した演奏能力が融合した、永遠の名盤だ。

初のヒット作となったタイトル曲を含む80年発表の通算6作目。じっくり作りこんだ感触のある秀作。中でもシュガー・ベイブ時代に思いを馳せた「マイ・シュガー・ベイブ」は、達郎の名唱と相まって何度聴いてもジンとくるものがある。ボーナス4曲収録。

79年発表の第4作。四半世紀近くも前に、前作もそうだが、一人ア・カペラで始めるというところに、現在につながる自身の音楽センスに対する自信と頑固さ(?)がうかがえる。ライヴを大切にし続ける姿勢は、寄席にこだわる噺家に通じるものがありそうだ。

「LET'S DANCE BABY」「BOMBER」のヒットを生み、転換点となった78年作の4枚目。ファンクやソウルをベースにした温かいグルーヴと、フィル・スペクター的ポップスが同居したサウンドで、どの曲も美しいメロディが冴え渡っている。

1978年発売のライヴ2枚組のリマスタリング復刻。ボーナス・トラックとして実際のステージにおけるオープニング曲「ラブ・スペイス」と、ラスカルズの「ユー・ベター・ラン」の19分におよぶファンク・カヴァーを収録。価値ある商品です。

77年発表のセカンド・ソロをデジタル・リマスタリング。村上“ポンタ”秀一、細野晴臣、坂本龍一、吉田美奈子、斉藤ノブなど錚々たるミュージシャンたちのサポートを得て、少しずつソロとしての方向性を確立する過渡期的名作。ボーナス・トラックを3曲収録。

76年リリースのファースト・ソロ・アルバムのデジタル・リマスター盤。普遍なる達郎サウンドとはいえ、NYとLAに単身乗り込んでこれを作り上げた血気が歌声にもにじみ出ているところが妙に愛おしい。自身によるていねいな解説と未発表カラオケ2曲も嬉しい。

ア・カペラと言えば山下達郎となったそのアルバムの再発売もの。しかし、実は'86年版とあるように、そのほとんどがメーン・ヴォーカルを入れなおしているようだ。ドゥー・ワップの名曲のカヴァーであるところも、山下らしい。名盤がやっと帰ってきた。

達郎のア・カペラ集の第2弾。昔から達郎がうたうと言っていた「アマポーラ」をはじめ、「サイレント・ナイト(聖夜)」など達郎ならではのア・カペラ集になっている。今回はクリスマス曲の他はポピュラーの名曲が中心で、必携アルバムになっている。

“1”が出てから19年たって、“3”はなんの気負いもなくひたすらに、一人多重のアカペラ・ドゥーワップで“好きな曲、歌いたい曲”を気持ちよくうたっております。聴くわれわれも、ただひたすら気持ちよく聴く、これがこのアルバムの基本でしょう。★

それにしても(1)の音の厚みはどうだ! アルチザンの面目躍如というしかない。さすがの一作。(2)はストリングスをバックに達郎節が気持ち良く流れる。で、お楽しみは(3)。(1)のオリジナル・カラオケなのだ。正月休みの“宿題”としてはけっこう難物です。

山下達郎にとって10枚目になる83年6月発表のアルバム。本人は“青春の回想にしようと思って、自分のネ。それを元にしたフィクション。だから、ちょっと男っぽくしたかった”と言ってた。魅力的な張りのある歌声にうっとり。

前作『メロディーズ』から3年ぶりのオリジナル・アルバムだけに、もっと派手な作りになっているかと予想していたが、意外なほど地味。しかし、聞けば聞くほど味が出るタイプ。シンセを駆使していながら、テクノな感じの音には聞こえないのです。

88年に発表された通算9枚目となるスタジオ・アルバム。ドラマ『海岸物語 昔みたいに…』の主題歌としてヒットを記録した名バラード「ゲット・バック・イン・ラヴ」のほか、「踊ろよ、フィッシュ」といったシングルを収録している。

本格的なライヴ作としては初の試みで、10年間の活動を集決算したような選曲、内容になっている。全精力を傾けて、完璧なスタジオ作を提供してきた人だが、ここでもその姿勢が貫かれ、ライヴの熱気を伝えつつも、ライヴとは思えない完成度を誇っている。

何といってもタイトルがいい。ジャケットもあのミリポルスキー。ずっとリズムにこだわっていた彼だが、歌詞、リズム、メロディー、ヴォーカルの四拍子が完璧に時代にフィットしている。

こういうアルバムをつくってしまえる、というところにまず脱帽。正直いってクリスマス・ソングは隔靴掻痒の感あり、という世代の筆者にとっては純粋に音楽として楽しめる作品は本気でうれしい。達郎氏のサンタ姿を表ジャケに使わなかったセンスを評価する。

(15)以外はシングルで発表された楽曲。レベルの高さがズッと続き堪能させられた。これほど密度の濃い音楽を毎度作るのだから、そのパワーには恐れ入る。最新シングル(11)を聴くたびに、日本のポップスはまだまだ大丈夫だ、と安心してしまう昨今であります。

CF曲に加え、シュガーベイブ時代を思い出させる(4)(8)、メリサ・マンチェスターとのデュエット(10)など、ベスト・セレクション的な内容をすでに有するゴージャスなアルバム。音が流れると空気清浄・視界良好にさせるクリアで立体感のある録音技術にも◎。★

何といってもタイトルがいい。ジャケットもあのミリポルスキー。と、音楽意外のことをほめてお茶をにごそうというわけではない。ずっとリズムにこだわっていた彼だが、歌詞、リズム、メロディー、ヴォーカルの四拍子が完璧に時代にフィットしている。

山下達郎の曲を、LAのミュージシャンがアレンジ/演奏するという企画盤。意外な有名どころが参加していたりもしていて、アレレという感じ。けっこう大胆にアレンジし直されている曲が多かったりして。(4)(8)は英語詩のヴォーカル・ナンバー。

76年の『サーカス・タウン』から82年の『フォー・ユー』まで、エアー、RCAレーベルで発表したアルバムのボックス化。今回は『ライド・オン・タイム』『フォー・ユー』は新たにリマスターものを使用、ジャケットもすべてオリジナル。現在のMOONでの山下達郎を第2期とすれば、このボックスはソロ第1作からその地位確立までの第1期のアルバムをまとめたことになる。

NHK朝の連ドラのサントラで、6曲を除いて山下達郎の作品。アレンジ&演奏は難波弘之&劇伴「ひまわり」(笑)。デヴィッド・サンボーンのサックスも聴けたりして、結構楽しめちゃう。あらためてヤマタツ・メロディの巧さが心にしみこんでくる。

(15)以外はシングルで発表された楽曲。レベルの高さがズッと続き堪能させられた。これほど密度の濃い音楽を毎度作るのだから、そのパワーには恐れ入る。最新シングル(11)を聴くたびに、日本のポップスはまだまだ大丈夫だ、と安心してしまう昨今であります。

こういうアルバムをつくってしまえる、というところにまず脱帽。正直いってクリスマス・ソングは隔靴掻痒の感あり、という世代の筆者にとっては純粋に音楽として楽しめる作品は本気でうれしい。達郎氏のサンタ姿を表ジャケに使わなかったセンスを評価する。

ア・カペラで始まる78年12月発表のアルバム。コンサートでは観客がクラッカーを鳴らす「レッツ・ダンス・ベイビー」がこのアルバムの目玉。またニルソンの「ジス・グッド・ビー・ザ・ナイト」をカバーしているあたりが、ポップス青年山下のいいところ。

76年10月に山下達郎がソロ・シンガーとして初めて発表したアルバム。アレンジ、そしてサウンド・メイカーとしての力量以上に、ヴォーカリスト山下達郎の力量を示した作品。もしかして、詞がなくても、声だけでもいいのではと思える魅力です。

山下達郎が'77年に発表したアルバム。コンサートで今でも歌う「素敵な午後は」は、山下達郎のヴォーカル・スタイルが見事に出ている曲。「朝の様な夕暮れ」を聞いていると本当は詞なんていらないのでは? 声だけで聞かせられる魅力をすでに発揮していた。

'80年9月発表の山下達郎にとって初めてのビッグ・ヒット・アルバム。リズム・セクションのミュージシャンも山下好みのメンバーたちになり、ちょうど安定感のある時期になりつつあった。山下のヴォーカルは、いつ聞いてもひとつの楽器のように変幻自在だ。

「ライド・オン・タイム」がヒットする前年の1979年10月に発表されたアルバム。ア・カペラの「夜の翼」で始まり、中盤にのりのよい「ファンキー・フラッシュ」、最後に「愛を描いて」という構成は、すでにエンタテイメントを心得た達郎らしい作りだ。

達郎が'78年、RCAよりリリースした2枚組。ライヴとスタジオ録音で構成。時に今ではとうてい不可能であろう、六本木ピットインでの演奏からは熱気がムンムン伝わってくる。「Hey There Lonely Girl」のファルセット・ヴォイスに彼の魅力が窺える。

本格的なライヴ作としては初の試みで、10年間の活動を集決算したような選曲、内容になっている。全精力を傾けて、完璧なスタジオ作を提供してきた人だが、ここでもその姿勢が貫かれ、ライヴの熱気を伝えつつも、ライヴとは思えない完成度を誇っている。

重厚。といっても前作『ポケット・ミュージック』の鍛えぬかれた“なんでもなさ”、ふまえてのそれだから、変わんないね〜と安心して聞けちゃう人も、おそらく多数いるだろね。その気で聞けば十分腹に溜まる、二段重ねのお弁当的力作かつ武骨な名人芸。

山下達郎にとって10枚目になる83年6月発表のアルバム。本人は“青春の回想にしようと思って、自分のネ。それを元にしたフィクション。だから、ちょっと男っぽくしたかった”と言ってた。魅力的な張りのある歌声にうっとり。

達郎のア・カペラ集の第2弾。昔から達郎がうたうと言っていた「アマポーラ」をはじめ、「サイレント・ナイト(聖夜)」など達郎ならではのア・カペラ集になっている。今回はクリスマス曲の他はポピュラーの名曲が中心で、必携アルバムになっている。

ア・カペラと言えば山下達郎となったそのアルバムの再発売もの。しかし、実は'86年版とあるように、そのほとんどがメーン・ヴォーカルを入れなおしているようだ。ドゥー・ワップの名曲のカヴァーであるところも、山下らしい。名盤がやっと帰ってきた。

前作『メロディーズ』から3年ぶりのオリジナル・アルバムだけに、もっと派手な作りになっているかと予想していたが、意外なほど地味。しかし、聞けば聞くほど味が出るタイプ。シンセを駆使していながら、テクノな感じの音には聞こえないのです。

サーフィン映画『ビッグ・ウェイブ』のサウンド・トラック・アルバムだが、山下達郎のこの音楽のお陰で映画の方が話題になった。山下自身の曲とビーチ・ボーイズの曲で構成されている。アマチュア時代からビーチ・ボーイズ・ファンだった山下らしい出来。