
小西康陽が選曲を手がける、90年代〜2000年代の国内ポップスのコンピ・シリーズ第2弾。Chara、鈴木蘭々、ACOなど、ボサ・ノヴァやダンサブルでグルーヴィな曲ばかりをセレクト。ヒット曲中心だが埋もれた名曲も多く、それを並列に並べてDJミックス感覚で聴けるのがさすがのワザ。

ピチカート・ファイヴの小西康陽が日本テレビのドラマ『食いタン』『正義の味方』『でぶせん』など7番組に書き下ろした劇伴を全26曲収録。通常のサントラやベスト盤とは趣を異にした、小西のユニークな作品集に構成されている。遊び心満載の小西のサウンドはクラシックからポップスまで縦横無尽。

『サイコメトラーEIJI』のキャラを主役に抜擢した『でぶせん』がhuluで実写化。本作はそのサントラで、小西康陽が全編を手掛ける。音楽が主体というよりも、ジングル込みのいわゆるBGM集だが、なんの変哲もないラウンジ音楽も良く聴くとモンドっぽくなっていたり、小西の洒落たアレンジが随所に光る。

T-Palette Records所属のアイドル5組がピチカート・ファイヴの曲をカヴァーする企画盤で、総合プロデュースは小西康陽。アイドルネッサンス、lyrical school、ワンリルキス、Negiccoも瑞々しい歌唱を聴かせるが、「私のすべて」などをカヴァーしたバニラビーンズのハマり具合がさすが。

武井咲主演の日本テレビ系ドラマ『東京全力少女』のオリジナル・サウンドトラック。制作は小西康陽で、やはりどこを切り取っても“小西サウンド”が展開。劇伴としての役割をしっかりと果たしつつ、一枚のインスト・アルバムとしても優れた内容になっているあたりはさすが。

単なるドラマのサントラと思うなかれ。小西康陽ファンなら何より持っていたい一枚。スキャット系インストがメインながら全曲小西の書き下ろしで、トロバヨーリやルグランなどの熱心なファンの小西らしいキレのあるアレンジと作曲センスが堪能できる。

小西康陽が今後アルバム制作を予定している10名の音源を集めたショウケース的コンピ。モデルでもある市川実和子や甲田益也子から、野本かりあ、前園直樹などを収録。軽妙な筆致のコラムを含む美麗なブックレットも含め、小西の洒脱な趣味が滲み出た逸品。★

コロムビア創立100周年に向けた発掘プロジェクト第1弾で、小西康陽監修のもとに登場した激レア盤。日本シャンソンの草分け、深緑夏代門下の7人組コーラスのジャンヌ・エトワール+1がモノした、ジャパニーズ・テイストが隠し味の小気味いいスキャット集だ。

女性二人人、男性4人のコーラス・グループが、いずみたくのヒット曲を唄う、70年3月に発表されたアルバムの紙ジャケ仕様復刻盤。耳に心地よいコーラス・ワークで、サウンド・プロデューサーとしての、彼自身の洋楽志向を具体的な形にした作品と言える。

ビリー・ヴォーン楽団のピアニストで編曲者であり、フォーリーブスの「シャボンの匂いの女の子」などの作曲者でもあるロジャースによる69年発表作のインスト・アルバムの復刻だ。凝った編曲をポップス・オケで、ポップス系歌謡をさり気なく聴かせている。

小西康陽監修の復刻盤。作曲者の異なる60年代後半のヒット曲を、妖しげなヴォーカルと発声、原曲に縛られぬ自由な解釈でアレンジされた異色作。「ウナ・セラ・ディ東京」や「涙のみなと」など、曲本来の洗練さが今あらためて伝わる。時代がかったジャケットや、インナーのセクシー写真もインパクト大。

臨場感あふれるレースのアナウンスやマシンのエグゾースト音がたまらなく昭和のノスタルジーを誘う。作編曲家でピアニストの三保敬太郎が、不慮の事故で急逝したレーサー、福澤幸雄のために吹き込んだ企画盤。readymadeから今回二度目のCD化。

68年発表作のリイシュー。ジャズ/セッション・ミュージシャンたちによる一枚で、当時の歌謡曲ヒットをボサ・ノヴァ調などを介して、やんわりカヴァーしている。あの頃のアーバン感覚を切り取る、小編成によるイージー・リスニング盤と言えるだろう。

極上のムード・ジャズと言ってよい、“緩いグルーヴ”の演奏。ソロを聴かせるというよりは、“グルーヴ”に酔いしれたい音楽が詰まっている。お馴染みの曲が続くところは、喫茶室で過ごす極上の時間が流れていく。緩〜い極楽音楽。メロディの流れの中に身を任せて一緒に流れてほしい。

日本を代表する編曲家の前田憲男が68年、サックスの稲垣次郎と組んで当時に流行していたジャズ・ロックに挑戦したダンサブルな一枚。当時を知る者には懐かしいBGMだが、ピチカート・ファイヴや小西康陽を知る世代には彼らの原点として興味深く聴こえるはずだ。

石川晶(ds)率いるグループの69年作品で鈴木宏昌(p)、杉本喜代志(g)ら重鎮と佐藤允彦が作・編曲で参加。佐藤作「ザ・クーガー」以外カヴァーだが、彼らの人の曲へのアプローチが面白い。ことに村岡建(ts)のストレートなメロディにフリー・フォームで対峙するビートルズ「ヘイ・ジュード」が秀逸。

喰って喰って喰いまくる! 人気コミックを原作にした東山紀之主演の日本テレビ系ドラマのサントラは、小西康陽によるクラシック曲のリミックス集。「フニクリ・フニクラ」やラヴェルがクラブ仕様に変化しちゃってるし、(5)の暴走も面白い。曲数が少ないのが残念。

小西康陽全曲プロデュースによる、ディズニー・サントラのカヴァー集。元来、ディズニーものはスタンダードになりうる美メロ揃いだけに選曲がキモだが、必要以上にヒネらないオトナな構成。ムッシュかまやつの的確な起用と、チルドレン・ヴォイスの使い方が絶妙。

桜井鉄太郎、窪田晴男、小西康陽の3人による伝説のFMプログラムからのセレクション第1弾。それぞれのポップでヒップな芸風が生かされた作品集なのだが、特に変化球と隠し球で攻める小西作品がいい。世の冴えない男達に捧げられた(16)が身にしみます。