
映画『帝一の國』の主題歌。学園政権闘争コメディといった内容に即し、バンドは登場人物たちの人生模様を“糸”と“意図”にかけ、さらには混沌とした時代を生きる思いを、エレクトロなポップ感が懐かしくも新鮮に息づく好曲へ昇華。インディーズ時代の「君が猫で僕が犬」の初音源化も。

5曲入りの作品集。「ただ」はこれまでになく純粋を極めたラブ・ソング。ポップに振り切った小林武史プロデュースの東京メトロのキャンペーン・ソング「陽」は、谷口 鮪(KANA-BOON)とのコラボを含む2ヴァージョン収録。ほかにも攻撃的ロック、壮大なバラードをなど、引き出しの多さを聴かせる意欲作。

クリープハイプの7枚目のシングルは、映画『脳内ポイズンベリー』の主題歌。原作を読んで書き下ろされたというナンバーで、自分のなかの葛藤と信号をモチーフにした歌詞は秀逸。尾崎世界観の独特なヴォーカルが注目されがちではあるが、カップリング含め、メロディの美しさも圧倒的。

尾崎世界観(vo、g)を中心に、2001年に結成されたクリープハイプの移籍後第1弾となる3枚目のアルバム。サウンドはロック、そして歌世界はフォークなのだが、そこがいい。アングラ感とメジャー感をあわせ持った不思議なバンドだ。「エロ」「百八円の恋」といったシングル曲をはじめ12曲を収録。

クリープハイプの6枚目のシングルは、映画『百円の恋』(武 正晴監督作品)の書き下ろし主題歌。シュレッド風味のギター・フレーズが印象的な表題曲に加え、疾走感あふれる青春パンク・チューン「君の部屋」、彼ら流のミッド・バラード「ラジオ」も収めた全3曲入り。

2001年結成の4人組ロック・バンド。4曲入りながら彼ら自身は5作目の“シングル”として出したCDである。「エロ」は歌詞も曲も音もいわゆるエロいわけではなく、ファンキーに迫るナンバー。長谷川カオナシが作詞曲を手がけた佳曲「ベランダの外」はこの通常盤にしか入っていないので注意。

1年ぶりとなる4枚目のシングル。疾走感のあるビートとおなじみの少し癖のあるヴォーカルで歌われるのは、“寝癖”をとっかかりにした身近で温かな愛の物語。インディ時代からあるスケールの大きなバラード「ねがいり」ほか、カップリングでも抜群のポップ・センスを見せつけている。

インディ時代からの代表的な楽曲を網羅した文字通りの“名作選”。尾崎世界観の歌声がハイ・トーンであるほど、生々しい愛の劇場と化した楽曲の世界観は、演奏も含めて身体の感覚を感じずにはいられない。火照り、湿り、匂い立つ身体を躊躇なく掴み取る。純文学にも似た方法で。

ヒット・シングル「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」「憂、燦々」「社会の窓」を含む2作目。トーンの高い尾崎世界観の中毒性高い歌唱と内省とロマンティシズムが交錯する詞が何より個性的で、案外正攻法のメロディック・ギター・ロックをユニークに彩る。破壊力のほどは尾崎の存在感と歌にあると実感する一枚。

2001年に結成された4人組バンドのセカンド・シングル。タイトル曲は尾崎世界観によるエモーショナルなヴォーカルと緊張感に満ちた歌詞に圧倒される。カップリングには、サイプレス上野とロベルト吉野「YouTube見てます」に通じる風刺を取り入れた歌詞の「週刊誌」などを収録。

2001年に結成され、4月にメジャー・デビューを果たした4人組バンドのファースト・シングル。浅田信一がプロデュースを担当。タイトル曲は疾走感あふれるロック・サウンドと思わず口ずさみたくなるポップなメロディ、そして、とある歌姫をモチーフにしたストーリー性のある歌詞に引き込まれる。

尾崎世界観(vo、g)を中心とする4人組のメジャー第1作。ザラついたギターに塗りたくられたひねくれた正直さとセンシティブな人間模様。終焉と起源の接点をハイ・トーン・ヴォイスが文学的につなぎとめるアプローチはパンク的でもあるし、フォーク的でもある。刹那の沸点をロックで描ききった快作。

ファースト・アルバムが評判を呼び、ライヴも軒並みソールド・アウトを記録する2005年結成の4人組ロック・バンド、約10ヵ月ぶりとなるミニ・アルバム。シンプルでソリッドなアンサンブルと少年のような青さが滲むハイ・トーン・ヴォーカルには、叩きつけるかのごとき切迫感やどこかとぼけた親しみやすさが混在している。

少年のようで女性的でもある、性別を超越した不思議なヴォーカルが何といっても特徴的な4人組のファースト・フル・アルバム。声だけ聴いたところはピュア風だが、リリックは生々しい感情やシニカルさを含んでおり、アンバランスさで混沌とした世界観もある。生バンド・サウンドも、自然にヴォーカルを惹きたてている。

正式メンバーが尾崎世界観ひとりになって初のクリープハイプのミニ・アルバム。カタカナ語を極力排し独自の視点を持った歌詞、自由に上下するメロディ、ユニークなヴォーカル・スタイルなど、ますます深化した演奏だ。どれも惹き込まれるが、弾き語りの「イエスタデイワンスモア」が良かった。

ヴォーカリストの名前が“尾崎世界観”。なんともユニークだ。粗削りだけど文学的なアプローチを持った歌詞。そこに、ややヒステリックな声が乗る。そんな個性的な三人組のファースト・マキシ。ある種の人たちの心の琴線に響くだろう。