
7枚目のアルバム。「エヴリタイム・ウィ・セイ・グッバイ」「ムーンライト・セレナーデ」などおなじみの曲ばかり歌っているが、その仕上がりは独特。物憂げで頽廃的なムードは、まるでフランス産フィルム・ノワールの世界。音数少ないアレンジが効果的。編曲はサックス奏者の鈴木央紹。

黒田卓也を筆頭とした未来を担うジャズ・ミュージシャンが結集した強力ユニット。NYで録音された今作は、クロスオーヴァー世代の斬新な感覚に満ちた楽曲で、世界のジャズ・シーンの現在とリンクしている。ゲストにチリ出身のギタリスト/シンガーソングライターのカミラ・メザ、小川慶太。

こんなに湿気ムンムンの「FOREVER MINE」や、なまめかしい「接吻」聴いたことない! ウィスパー・ヴォイスが独特なジャズ・ヴォーカリスト、青紀ひかりの6枚目となるアルバムは、タイトルどおり男性歌手の名曲カヴァー集。このアンニュイ感だけでゴハンが食べられそうだわ。

PE'Zのサックス奏者門田“JAW”晃介による新バンド。ヤセイコレクティブの松下マサナオと中西道彦の二人と、ジャズ鍵盤奏者として引っ張りだこの宮川 純という布陣。エフェクティヴなベース、テクニカルなドラム、アグレッシブなキーボードに門田のメロディアスなサックスが印象的。

D.ネグレテは、バークリーを卒業後ニューヨークで活動、現在は日本で活躍しているサックス・プレイヤー、彼の高度な演奏テクニックが注目されている。特に生き生きとしたサウンドがとても魅力的だ。若々しい雰囲気が横溢した日本のジャズ最前線との一枚。出足上々のこの作品がデビュー・アルバムだ。★

デビュー時からのオーガニックな雰囲気を基調としつつ、曲によっては原曲から飛躍する宮川 純のアレンジがシンガーとしての魅力を引き出す。典型はABBAの「ダンシング・クィーン」で、欧州的なピアノ・トリオの音に高音域の透明感が映え、美しい。躍動する「トリステーザ」の終盤ではフェイクも交えて弾ける。

2013年に初リリースされたT5Jazz Recordsによるクリスマス・スタンダード集の第2弾が登場。選曲も渋めだが、それ以上に玄人好みなプレイが集まっているのがこのレーベルならでは。アルバムのラスト、類家心平がトランペット1本で吹く「Silver Bells」のなんと高潔なことか。

3年ぶりのサード・アルバムはレギュラー・グループの結束感あふれる演奏集。2曲で黒田卓也がゲスト参加。スコットランド民謡のカヴァー以外はオリジナル。宮川はピアノとキーボードを弾き分けながら、ギター入りカルテットでグルーヴィなジャズをくり広げる。

ジャズ・シンガー、青紀ひかりの4枚目。スローなボッサ・タッチの作品である。ギター、ピアノ中心のシンプルな伴奏で、曲によりサックスが加わる。ゆったりしたムードのセクシーなハスキー・ヴォイスで歌う。アルバム・タイトルは香港の有名な通りの名称。

宮川純や安ヵ川大樹ほかの好サポートを得て、本格派ヴォーカリストが力量を存分に示す2013年作。ファンキーなのにクールな「Dat Dere」、リハーモナイズが心地よい「You Are The Sunshine Of My Life」、翳りのある「You Don’t Know What Love Is」など、技術的に優れているだけでなく、漂う雰囲気がいい。

名古屋在住のピアニストによる3年ぶりの2作目。王道を行くピアノ・トリオで個性を発揮する。穏やかな中に秘めたパッションとでもいえばいいだろうか。ジャズへの思いを知的なタッチに託し、感受性豊かなプレイを繰り広げる。井上と大坂のサポートも見事。

ハスキーなヴォイスで独特の味わいを聴かせてくれるのがピアノの弾き語りでお馴染みのグレース・マーヤ。3年半ぶりのこのアルバムでも相変わらず魅力的な歌の数々を聴かせてくれる。ジャズ・ピアニストとして達者な腕前が楽しめる作品としてもファンなら見逃せない。

宮川純(p)、出宮寛之(b)、河村亮(ds)からなる2009年結成のフレッシュなトリオ。宮川はすでに大坂昌彦のプロデュースによるリーダー作をビクターから発表しているが、このトリオでは初作品。ガーシュウィン・ナンバー1曲を除いて、曲はすべて宮川と出宮のオリジナル。

大坂昌彦の通算7枚目のアルバム。注目の新人、宮川純を含む精鋭揃いの7人編成でファンキー・ジャズの名曲を中心に演奏した。黒人霊歌「ダウン・バイ・ザ・リバーサイド」、モード・ジャズの「ブルー・イン・グリーン」なども収録。アグレッシヴな自作「インタールード」を2曲挟むなど多彩な作り。大坂がすべてを出した力作である。

ピアノ/オルガン奏者のデビュー作。トップ・ドラマーの大坂昌彦がプロデュースを買って出ただけあり、音色を含めた演奏技術、編曲など水準が高い。透明感と躍動感が共存する「いつか王子様が」、ミステリアスなムードを巧みに引き出す「インファント・アイズ」、現代的な解釈が光る「ジャイアント・ステップス(PART2)」などいい。1950年代風の「トム」など自作曲も充実。