ミニ・レビュー
これまでアルフィーが発売してきたシングルのAB面を1枚にコンピレーションしたベスト・シングル集の第3弾。87年に発売された「サファイアの瞳」から、90年に発売された「FLOWER REVOLUTION」までの10枚のシングルが、発売順に収録されてます。
収録曲
[Disc 1]
01サファイアの瞳
ライオンのCMタイアップ・ソングとなった87年3月リリースの通算25枚目のシングル曲。ブラス・セクションを大胆に取り入れた意欲作で、桜井賢のリード・ヴォーカル曲としては意外にも初のオリコン1位を獲得したナンバー。同時発売のシングルとともに各種ヒット・チャートで2曲同時ランク・インという記録も作った。
02木枯しに抱かれて…
シングル「サファイアの瞳」のB面に収録された高見沢俊彦のリード・ヴォーカル曲。彼が提供した小泉今日子のヒット・ナンバーのセルフ・カヴァーで、原曲にはない歌詞が追加され、またアルフィー風アレンジも施されている。さらにデイヴ・ロジャースが『ALFEE MEETS DANCE』でダンス・カヴァーをしている。
03君が通り過ぎたあとに〜ドント・パス・ミー・バイ
04フォー・ザ・ブランニュー・ドリーム
スペクトラムの新田一郎率いるホーン・セクションをフィーチャーした坂崎幸之助リード・ヴォーカルのアップ・テンポなハード・ロック・チューン。「DAYS GONE BY」に続く全編英語詞第2弾で、「君が通り過ぎたあとに-DON'T PASS ME BY-」とともに映画『タッチ3』のテーマ・ソングとなった。
05白夜〜byakuya
87年7月リリースの通算27枚目となるシングル曲。当時流行っていたシンセ・サウンドが印象的なディスコ風ナンバーで、高見沢俊彦のアンニュイなヴォーカルを聴くことができる。ライヴ会場が真っ赤なスカーフでいっぱいになることで知られる「CRIMSON KISS」は、この曲をさらにダンス・アレンジしたものである。
06ロング・ウェイ・トゥ・フリーダム
シングル「白夜-byaku-ya-」のB面収録曲。高見沢俊彦のシャウトがかったパワフルなヴォーカルとソリッドなリズムが魅力のミディアム・ロック・チューン。アルプス電気のCMソングとして1年間放映されたため、特にイントロ部分が世間一般にも広く知られている。87〜91年までのツアー・タイトルにもなった。
07マイ・トゥルース
ロンドンでミックスされたアルバム『U.K. Breakfast』から先行シングルとしてリリースされ、オリコン1位を獲得したナンバー。坂崎幸之助の情感豊かなヴォーカルが魅力のミディアム・ロックで、実直に心の内を打ち明ける赤裸々な歌詞に定評がある。盟友・井上鑑が「愛の鼓動」以来、約3年ぶりに編曲に参加。
08イッツ・オールライト
彼らにとって4度目のオリコン1位となったシングル「My Truth」のB面に収録されたナンバー。伸びやかで色っぽい桜井賢のヴォーカルとエンディングの高見沢俊彦によるエレキ・ギター・ソロが聴きどころ。当時のアナログ盤『U.K. Breakfast』には収録されていなかったが、CD盤では追加されている。
091月の雨を忘れない
88年1月リリースの通算29枚目となるシングル曲。当時の人気TV音楽番組『夜のヒットスタジオ』でロンドンからの中継ライヴを行なった際に披露した曲。聴けば聴くほどに味が出てくる桜井賢の情感豊かなヴォーカルが実に魅力的。アコギのリリカルなソロやエンディングのエレキ・ギターとのバトルなど、聴き応え十分。
10ガール
シングル「1月の雨を忘れない」のB面に収録された坂崎幸之助のリード・ヴォーカル曲。独特の郷愁感と自由奔放なバッキング演奏が魅力のミディアム・ロックで、バンド色の濃かった当時のアルフィーらしさがよく出ている。「My Truth」に引き続き編曲に参加した井上鑑の斬新かつ緻密なアレンジも聴きどころ。
[Disc 2]
01ウィークエンド・シャッフル〜華やかな週末
田村正和主演のTBS系ドラマ『パパは年中苦労する』の主題歌となった通算30枚目のシングル曲。“華やかな週末”らしい軽快なシャッフル・リズムと3人の華麗なコーラスによるキャッチーなサビが魅力。随所にちりばめられた仕掛けやドラマティックな曲展開など、アレンジ力の高さも感じさせる完成度の高いナンバー。
02見つめていたい
88年3月リリースのシングル「WEEKEND SHUFFLE-華やかな週末-」のB面収録曲。TBS系ドラマ『パパは年中苦労する』の挿入歌で、忘れたくても忘れられない片思いの相手への切ない心情を歌ったラヴ・ソング。こうしたピアノを軸にしたロック・バラードでの高見沢俊彦のヴォーカルには独特の輝きがある。
0319 (ナインティーン)
イントロから高見沢俊彦の派手なエレキ・ギター・ソロが展開されるハード・ロック・ナンバー。多感で傷付きやすい思春期の心を代弁することでティーンエイジャーたちを励ます、アルフィー流応援ソング。ソリッドで力強い8ビートと、坂崎と高見沢の二人によるロック魂あふれるパワフルなリード・ヴォーカルが魅力的。
04アウトロー・ブルース
シングル「19(nineteen)」のB面収録曲。アルフィーのレパートリーの中でも数少ないブルース調のナンバーで、桜井賢がパワフルなヴォーカルで、街の片隅で力強く生きる孤独な男の姿を高らかに歌い上げる。ふつふつと湧いてくるようなアグレッシヴな心情が見事に表現されていて、聴き手に勇気を与えてくれる。
05フェイス・オブ・ラヴ
緒形拳主演の時代劇映画『激突』の主題歌となった88年12月リリースの通算32枚目となるシングル曲。ささやくような優しいイントロから力強いサビまで、至るところに桜井賢のヴォーカルの魅力が詰まったミディアム・バラード。当時、時代劇のサントラとして、こうしたロック・バラードが使用されるのは斬新だった。
06ユー・ゲット・トゥ・ラン
シングル「FAITH OF LOVE」のB面収録曲で、時代劇映画『激突』のファイティング・テーマとして使用されたナンバー。いかにも映画の格闘シーンらしい緊張感のあるイントロではじまるハード・ロック・チューンで、桜井賢の重量感のあるヴォーカルがいちだんと光る。サビ中の「ヒュルル〜」など、歌い回しもなかなか秀逸。
07恋人の歌がきこえる
08アローン〜それでも道はつづく
09フラワー・レヴォリューション
90年にリリースされた唯一のシングル曲で、EXPO'90と大阪国際女子マラソンのダブル・タイアップとなったナンバー。前作「恋人の歌がきこえる」に引き続き、武部聡志が再び編曲に参加。16ビートを刻むシンセ・ベースとソリッドなドラムが印象的なバッキングに、3人が代わる代わるリード・ヴォーカルを取る。
10バッド・ガール
シングル「FLOWER REVOLUTION」のカップリング曲。「DOWN TOWN STREET」や「世にも悲しい男の物語」の延長線上にある坂崎幸之助リード・ヴォーカルのファンキー・ロック。ブルース・スケールを用いたご機嫌なフレーズやツー・バスとともに炸裂するギター・ソロなど、自由奔放な演奏が満載。