原曲は91年発表のオリジナル・ラヴのデビュー・ミニ・アルバム『ORIGINAL LOVE』のなかのナンバーで、ここで聴けるのはダブ・ミックス・ヴァージョンにアレンジされたトラック。田島貴男のヴォーカルは入らず、ささやくような女性のヴォイスをフィーチャー。美麗な仕上がりをみせるスウィートなソウル・ミュージックだ。

オリジナル・ラヴ初期の名曲のリミックス・ヴァージョン。R＆B／ソウルの要素を基本としながら、そこにポップな味付けを施したオシャレなナンバーだ。複雑なリズムもダークなメロディも、洗練されたアレンジで聴けばキャッチーなダンス・チューンに様変わり。田島貴男のソウルフルなヴォーカルが際立つ個性を放っている。

うねるビートが特徴のファンキー・チューン。濃厚なファンクネスを内包しつつも、ほどよく上品なサウンド・メイキングが施されているためフレッシュな響きを持つ作品に仕上がっている。骨太なベースとワウワウ・ギターの絶妙の交差、そしてJBサウンドを思わせるホーン・セクションの切れ味が抜群。ダンディズムあふれるヴォーカルも絶品だ。

カラッとしたアコースティック・ギターのイントロが印象的な、軽快なテンポの一曲。キャッチーな旋律にジャズ／R＆B風のブラックネスを加味した、90年代渋谷系サウンドの典型ともいえるサウンドだ。跳ねるビートにさりげなく絡むサックスやオルガンの音色が、都会的な空気感を演出。流麗なメロディ・ラインは彼らの楽曲のなかでも指折りの出来。

4ビートを刻むリズムの上を、ビッグバンド風のブラスが華麗に舞うスウィング・ナンバー。ジャズを真正面から大胆に取り入れたサウンドを展開、オリジナル・ラヴ一流のアレンジ力が遺憾なく発揮された楽曲だ。ダイナミックなブラス隊は迫力満点。メロディとヴォーカル＆コーラスに漂うブルーな雰囲気は、きわめてオシャレ度高し。

ミステリアスな雰囲気を醸し出す、初期オリジナル・ラヴの傑作ダブ／クラブ系ナンバー。彼らがJ-POPシーンのなかで前人未踏の領域を歩んでいたことの証左となる楽曲のひとつ。ここで聴けるのはそのライヴ・ミックス版で、ジャズ、ファンク、ダブ、R＆R、R＆Bを溶解して新しいクールな音楽を提示することに成功。彼らの到達点の高さをうかがい知ることができるトラックだ。

甘美な魅力をもつR＆B系のミドル・チューン。真夜中過ぎの静かな時の経過を思わせる、ブルーな雰囲気が漂うナンバーだ。淡々と進行するリズムと繊細な感情をむき出しに歌うヴォーカルが対照的で面白い。激しく盛り上がるべきところをあえて抑えて表現したかのような、完成された抑制の美学が全編を覆っている。

オリジナル・ラヴの初期の代表曲のひとつ、そのピアノ弾き語りヴァージョン。原曲は色あざやかなクラブ・チューン的な趣きを感じさせたが、ここではテンポを落とし美しいバラードにアレンジ。美麗なメロディとヴォーカルの歌唱力が引き立ち、しっとりとした静かなイメージがわきたつ感動的な楽曲に生まれ変わっている。

初期オリジナル・ラヴのヒット曲の、91年発表のシングル・ヴァージョン。夜のハイウェイの光の束が目に浮かぶような、オシャレ感覚抜群のスピーディな楽曲。田島貴男のしなやかな感性と90年代初期の時代の気分が見事にマッチした、ロックとジャズのゴールドブレンドによるJ-POPだ。時代の刻印が押された名曲。

ドリーミーな雰囲気を匂わすミドル・チューン。この曲を個性豊かなものにしているのは田島貴男のファルセット・ヴォーカル。そのベルベットな歌声がブラック・ミュージック特有のノリを引き出し、全体的には聴きやすいハッピーな曲調に仕上げている。ソウルフルなヴォーカルとシャープなサウンド・メイキングのバランスが絶妙だ。

打ち込みビートのなか、浮遊感を携えたシンセ音が空間を揺らしつづける神秘的なクラブ系ナンバー。多重録音によるヴォーカル、そして妖しげなフルートのリフレインが危うげな感覚を呼び覚ます。田島貴男の歌声は低音から高音まで変幻自在。夜のしじまに訪れる幻想的な世界を描き、シルキーな夢見心地のサウンドを構築している。

オリジナル・ラヴがデビュー前に録音した音源。スウィング・ジャズを華麗にJ-POPに昇華させたポップなジャイヴ・ナンバー。基本は4ビートだが、気転の利いたブレイクや絶妙のコーラス・ワークがこ難しいジャズ色を払拭。小粋なリズムにのって、ギター、ドラム、オルガンのソロがあざやかに決まる。身と心を揺らすスウィンギーな渋谷系チューンだ。