ミニ・レビュー
青年時代のバッハが指揮する演奏を目の当たりにするような錯覚に陥るコープマンの演奏である。和やかな雰囲気の中に宗教的高揚と音楽する楽しさが調和した演奏には力強い生命感が満ち溢れている。若きバッハの心意気が伝わる182番など弾ける躍動感が心地いい。玉手箱を開けるように清新な演奏でバッハのカンタータを次々と聴くひと時は何物にも換え難い喜びをもたらすことだろう。★
収録曲
[Disc 1]
01カンタータ第12番「泣き、嘆き、憂い、おののき」BWV12
02同第18番「天より雨と雪の降るごとく」BWV18
03同第61番「いざ来たれ異邦人の救い主よ」BWV61
04同第18番「天より雨と雪の降るごとく」BWV18 (付録)
[Disc 2]
01カンタータ第172番「歌よ、響け」BWV172
02同第132番「道を備えよ、大路を備えよ」BWV132
03同第182番「天の王よ、よくぞ来ませり」BWV182
04同 (付録)
[Disc 3]
01カンタータ第152番「出で立て、信仰の道へ」BWV152
02同第199番「わが心は血の海に漂う」BWV199
03同第203番「裏切り者なる愛よ」BWV203
04クォドリベットBWV524 (断片)
演奏
トン・コープマン指揮 アムステルダム・バロック管弦楽団 &合唱団 バルバラ・シュリック(S)カイ・ヴェスル(A)クリストフ・プレガルディエン(T)クラウス・メルテンス(Bs)