ミニ・レビュー
大貫雅吉志氏所有音源によるシリーズでNHKを中心にラジオからのもの。ほとんどが昭和38年以前だし、昭和40年のものでもゆるい味が麗しく濃く、ハズレがない。昭和29年の「らくだ」は当然だが、「毛氈芝居」や「叙学校操競孝女おゑんの伝」、「船徳」のロング・ヴァージョンの「お初徳兵衛」の上編などめずらしい音源はこのシリーズの白眉。艶笑落語の「姫かたり」も現在音源は志ん生師のこれのみ。「笠碁」を改作した「雨の将棋」もやたらおかしい。「水屋の富」の人間模様の描写はさすがに凄い。もったりとしていながら鋭い。ぐにゃぐにゃしていながら辛味が効いている。スケールがでかすぎるので、いくら聴いても底がない。