ミニ・レビュー
徹底した職人芸というのは、個性だの芸術だのに名を借りた、妙に主観的な思い入れがない。だからオッと耳をそば立てるものがない代わりに、時を経てもあまり風化しないようなしたたかさを持っている。コンヴィチュニーのやり方が正にこれ。ガクタイの親方としてやるべき事をキチンとやって、余分な事は一切言わない。たとえシューマンだって、甘い誘惑なんかに負けないで、ロマンが何たらかんたらという軟弱夢心地路線には走らない。それがオケの古雅な響きとマッチして、何とも剛健な世界を描いていく。
収録曲
[Disc 1]
01交響曲第1番変ロ長調op.38「春」
02同第2番ハ長調op.61
[Disc 2]
01同第3番変ホ長調op.97「ライン」
02同第4番ニ短調op.120
[Disc 3]
01序曲、スケルツォとフィナーレ ホ長調op.52
024つのホルンと管弦楽のためのコンチェルトシュテュック ヘ長調op.86
03「マンフレッド」序曲op.115
演奏
フランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団