ミニ・レビュー
昭和27年から40年間の歌手生活を記念しての20巻ボックスだ。江口夜詩や中野忠晴。渡久地政信、吉田矢健治といった戦前・戦中派の作曲家たちの支援を受け、1950年代に数多くのヒットを放った春日八郎の歌手ぶりをじっくりと聴ける。木製ボックス入り豪華版。あか抜けた陽性のヴォーカルでいながら、どことなく地方出身者を感じさせるしっぽを持っていた。都会にいるほとんどの人々が地方出身だっただけに、共鳴するオーソドックスな歌謡曲をうたう歌手だった。今からみれば妙に古めかしい詞だが、1950年代~60年代の言語感覚そのもの。40年間、春日八郎の伸びる陽性ヴォーカルは、演歌的歌唱へ変わることなく、往年の歌謡曲スタイルのまま。