ミニ・レビュー
昭和29年に民謡の歌唱スタイルを生かした歌謡曲歌手としてデビューした三橋美智也の今日までの主要曲のほとんどを収録した木製ボックス入り全20巻の大全集だ。故郷と東京との結びつきの在りようを、故郷の側から歌ってきた。彼の懐かしくて、哀しくも温りのある民謡ヴォーカルが歌謡曲のひとつとして成立し、その後の細川たかしへと続くのかと納得させてくれる。きっと彼にしては実験作であったろう「達者でナ」は、抜群の出来といえるサウンド&アレンジであり、当時としては珍しいヴォーカル多重録音です。「快傑ハリマオの歌」は40代のひとには懐メロTV主題歌のひとつであり、彼が意外性を持った歌手だったと実感させる大全集だ。