ガイドコメント
最新シングル「スターゲイザー」をはじめ、99年以降のシングル「夢追い虫」「メモリーズ」などを収録したスピッツ6年間の軌跡。「僕はジェット」はデビュー以前の楽曲からピックアップされた貴重な音源だ。
ガイドコメント
ヒット・シングル「スターゲイザー」をはじめ、「夢追い虫」「メモリーズ」を収録したスピッツ6年間の軌跡。「僕はジェット」はデビュー以前の楽曲からピックアップされた貴重な音源だ。
収録曲
01スターゲイザー
「明日君がいなきゃ困る、困る」……、星に向かってそんな想いを連呼する、スピッツらしい弱虫ラヴ・ソング。クールに刻むビートの中を吹き抜ける切ない歌声は、”翼になる”かのように、爽やかに、潔く、宇宙へと還っていく。
02ハイファイ・ローファイ (NEW MIX)
“OK!憧憬!”と韻を踏む言葉遊びも楽しい、快活なアコースティック・チューン。『99ep』収録のオリジナルにリミックスを施し、よりクリアなサウンドに。オープニングの、ドラムス崎山龍男の掛け声がカットされたのが唯一の泣きどころ。
03稲穂 (NEW MIX)
美しく実る稲穂に、恋に染められていく心の情景を絡めた、まさに日本人の琴線に触れる秀逸のアコースティック・チューン。新幹線からの風景にインスパイアというだけに、掻き鳴らすアコギは、心地よい疾走感を携えている。
04魚
スピッツ十八番の穏やかなアコースティック・チューン。といえども、ここまで耳馴染みのよい秀逸のメロディ・ラインはたぐいまれである。これといったハイライトがない作品でこそ、マサムネ・メロディの力強さは際立つのだ。
05ムーンライト
妖しい月光の夜、しっとりしたリズムに乗って、マサムネの歌声が官能的に響き渡る……、スピッツ史上初のボサ・ノヴァか、と思わせたところでキャッチーなロック・チューンへ大疾走。嬉しい裏切りでファンをニヤリとさせる、秀逸の展開だ。
06メモリーズ
歪みに歪んだロック・サウンドに乗せて展開する、“あなた”への刹那的な追憶。圧倒されるほどラウドなAメロと、蝶の舞いのごとく艶やかなサビとのコントラストの妙が、リスナーをつかんで離さない。こんな強引なスピッツは珍しい。
07青春生き残りゲーム (NEW MIX)
いわばスピッツ版『理由なき反抗』とも言える、思春期の荒れた様を描いた、強烈なロック・ナンバー。オリジナルは『99ep』に収録。リミックスにより音が分厚くなり、さらにハード・ロック・テイストが強まった。
08SUGINAMI MELODY
日常の安らぎのひととき、不意に過去への追憶へと誘われ……。悠々としたメロディに乗せ、輪廻を一周するがごとき展開を描いたスロー・ナンバー。ノスタルジックなオーケストレーションが、前世の記憶さえ喚起させるようだ。
09船乗り
男の恋路を航海に重ねた、スピッツ史上最強にダイナミックなロック・ナンバー。これが海の男の生き様じゃ! とばかりの崎山の豪快なドラミングに、草野によるロック魂炸裂のハーモニカと、そのアレンジも隅々まで男前!
10春夏ロケット
ブルーハーツを目指していた、というスピッツのパンクDNAがここぞとばかりに本領発揮の、ウルトラ・キャッチーなパンク・ナンバー。すっぱい思い、切ない思い……、繊細な感情が疾走ビートに乗ってロケットのごとく走り出す。
11孫悟空
魔法をなくした能なしの孫悟空が、もがきながらも現実へと身を投じていく……その不器用な美しさが魂を揺さぶる、旅立ちのロック・チューン。気だるいレゲエ調のリズムから、天空を駆け抜けるごとくの8ビートに疾走していく様は圧巻。
12大宮サンセット
大宮でのライヴのために作られた、ドラムレスで聴かせる味わい深いアコースティック・バラード。街並みを染めゆく夕日に君への想いを馳せ、手元にギターがあったので歌にしちゃいました、という即興的な感の強い素朴な名曲である。
13夢追い虫
弱さを武器に戦ってきた、マサムネの心の軌跡そのものを描いたと言える、甘美で切ないロック・バラード。ダイナミックに轟くギターを背に広がっていく歌声は、ちっぽけさを認めるいじらしさと、悟りにも似た力強さを湛える。
14僕はジェット
アマチュア時代の代表曲で、当時のデモ音源から採取したというファン感涙のトラック。昭和の特撮ヒーローものの主題歌にありそうな、少年パワー炸裂の歌謡ロック。草野の初々しい歌唱に、田村の奔放なベース……、若いなあ!