ミニ・レビュー
ちょい切ないバラード「奏(かなで)」がロング・ヒットとなった二人組のファースト・アルバムは、全曲ハズレなしの傑作。軽快でいながら味わい深いポップ・ナンバーから、壮大に歌い上げるバラードまで楽曲のバラエティも豊か。ソウルフルな歌声が素敵すぎます。★
ガイドコメント
「奏(かなで)」がロングセラー・ヒット中のスキマスイッチの1stフル・アルバム。その卓越したメロディ・センスとアレンジ・ワーク、そして温かみのある歌声の魅力を堪能できる。
収録曲
01螺旋
フュージョンの香りを漂わせるブラスや弾むピアノが、大人の色気を醸し出した華やかなナンバー。「螺旋」という単語に“すれ違いの積み重ね”と“DNAを君に残せたら”という2つの意味をかけたところがおもしろい。
02ふれて未来を
2004年発表の4thシングル。ソウルフルな持ち味が見事に昇華されたポップな佳曲。ファルセットで歌われるサビも聴くたびに快感に。「ふれて未来を」というフレーズに対し、韻を駆使した歌詞も聴きどころ。
03桜夜風
事務所の兄貴分、山崎まさよしがアコギ&コーラスでゲスト参加。大橋も山崎もそれぞれ特徴のある声だが、共通するぬくもりのある声が織りなすハーモニーは絶品。感傷的な春の夜の景色が浮かんでくるようだ。
04view
2003年発表の記念すべきメジャー・デビュー曲は、スピード感のあるストリングスや、かき鳴らされるアコギでスリリングな展開の一曲。歌詞にはラフな言葉を使ったりと、音や詞から強気の男気があふれでている。
05きみがいいなら
アコースティックなバンド・サウンドが小気味よい三拍子を刻むほのぼのポップ・チューン。Vo.大橋の高く舞い上がる抜けのいい歌声で、一途な男の気持ちをまっすぐに伝えている。アルバム『夏雲ノイズ』収録。
06ドーシタトースター
ドラえもんの道具みたいなタイトルだが、実は別れた彼女と一緒に買ったトースターに未練の気持ちを込めた切ないタイトル。ちょっと弱気な男が前向きになっていく繊細な描写も、このピアノ・バラードによくあっている。
07君の話〜エヴォリューションMix〜
情熱的なパーカッションと力強いピアノの上を流麗なフルートがしなやかに躍動するアップ・テンポなナンバー。明るい曲調とは対照的に、歌詞は他人と理解しあうことの難しさを描写。このシュールな感覚が実に痛快!
08僕の話
恋人を失った自分の姿をアコースティック・サウンドでゆったりと語った一曲。後悔の念や楽しかったときの思い出の細かい描写は、まさに友人の身の上話を聞いているようにリアル。アルバム『夏雲ノイズ』収録。
09種を蒔く人
「何でもないことが最高の喜び!」と笑いあえる幸せな空気感。この素敵な世界観を表現するやわらかなアコースティック・サウンドとほっこりした優しい声が、心を温かく満たしてくれる。アルバム『夏雲ノイズ』収録。
10キミドリ色の世界
ドラマーにMr.CHILDRENの鈴木英哉を迎え、アッパーなバンド・サウンドに仕上げたライヴ感溢れる作品。彼女の過去が気になり悶々とする心をおもしろく描いた歌詞は、彼ららしい独特の視点で描かれている。
11えんぴつケシゴム〜overture〜
小学生時代の懐かしいアイテムから蘇る甘酸っぱい恋の記憶。誰もが経験する子供の頃の記憶を、ほのぼのしたサウンドでノスタルジックに表現。世代を超えて親しめる心温まるポップ・ミュージックになっている。
12奏 (かなで)
彼らの2rdシングルで、奥ゆきのあるピアノ・バラード。ストリングスが丁寧に配されたサウンドで、切ない歌詞が心を揺さぶる。スキマスイッチの存在を一躍知らしめた珠玉のナンバー。