ミニ・レビュー
アーティスト名、タイトルからしてティーンエイジャーであることがバレてしまう元気の良さ。いわゆる“青春パンク”というものであるが、その情熱とエネルギーは強烈で飛ばしに飛ばしたファースト・アルバム。この世代にしかできないことを思いっきりやっていて好感。
ガイドコメント
大阪在住の現役高校生4人組バンドの1stアルバム。映画『BEAT KIDS』で主演するなど、2004年のデビューから活発な活動を展開。ティーンエイジャーの感情をストレートに表現するスタイルが魅力。
収録曲
01突き抜けろ俺たち
1stアルバムのオープニングで放つ痛快な一撃。高校三年生が広い海原へ飛び出していくそのエネルギーがほとばしる、まさに“青春パンク”の王道。“キズついて泣きまくって”そんな彼らのリアルなメッセージが、キャッチーなメロディと相まって、胸に飛び込んでくる。
02明日に向かって
YAMAHA TEENS'MUSIC FESTIVALのTEENS'大賞を受賞した作品。疾走感あふれるパンキッシュなサウンド、ポップなメロディ、ポジティヴな歌詞を耳にすれば、きっと元気が湧いてくるはず。
03大好きな人
“大好きな人、ずっとずっと変わらないで……”。進路の分かれ道に立つ高校三年生が抱くであろう想いを、疾走感あふれる8ビートに乗せて力いっぱい歌い上げる青春ラヴ・ソング。十代ならではのピュアな輝きに満ちたリリックは、同世代の共感はもちろん、すべての思春期経験者に甘酸っぱい想いを蘇らせてくれそう。
04次の恋へ
次の恋へ、といってもやっぱり君が一番好き……そんな揺らめく想いをポップで切ないメロディに乗せて綴る失恋バラード。うなだれる“僕”がなんとか持ち直して前に進んでいこうとする青春のワン・シーンは、誰もが共感できるはず。その歌声はリアリティにあふれ、やけに心に染み込む。
05Don't study Don't school
勉強なんてカス、ウンコ! 公式なんて知らなくっても生きていけるぜっ! なんなんだよこの学歴社会はよっ! という、受験生なら誰もが抱くフラストレーションをぶちまけてくれる超爆走パンク・ナンバー。莫大な負のエネルギーを、楽器に託して音楽にしてしまう彼らのスタンスが爽快。
06少年バンザイ
まさにタイトルのごとく、超ストレートな青春賛歌。疾走感とキャッチーな魅力はもちろん、ハイライトは“少年バンザイ!”という魂揺さぶる雄叫び。未来に響きわたるかのような真っ直ぐな歌声は、思春期に付き物の、悶々とした思いを一気に吹き飛ばしてくれることだろう。
07夜空を越えて
初恋の純度100%な想いを星降る夜空に向かって歌い上げる、ロマンティックなラヴ・ソング。シンプルなコード使いに、ミドル・テンポの8ビートというサウンドに加え、信義のひたむきな歌声が初々しい。とはいうものの、そのメロディとアレンジ・センスは高校生らしからぬクオリティ。
08バースデー
大好きな“君”へ贈る、“僕”からのバースデイ・プレゼント、それがこの歌なんだというストーリー。スピード感が持ち味の彼らも、ここでは彼女の水玉模様の服にときめく、純朴な少年。あふれる愛情や感謝の気持ちを、なんともほのぼのしたメロディに乗せて綴った、幸せいっぱいのラヴ・ソング。
09青春16
タイトルに“青春”が入った直球パンク・ナンバー。思春期真っ只中の男児ならではの、青臭い情熱をこの3分間でぶちまける、まさに男の真剣勝負。デビュー前より「演奏以前に、リスナーを惹き付ける得体の知れないパワーが……」と注目されていた事実に、あらためて納得できそうな一曲。
10喜怒哀楽
11卒業のうた (Band Version)
これは卒業生による卒業生のための卒業バラード。その日が近づくにつれて増す、別れの切なさや仲間との一体感……そんな心情を、等身大の演奏に封じ込めた。現役高校生だから成し得たリアルな作品だ。1stアルバム収録の本ヴァージョンは、ストリングス抜きの純粋なバンド・サウンドで仕上げている。
仕様
CDエクストラ内容:HUNGRY DAYSのRECORDING DAYS!! (アルバム制作日記)