ガイドコメント
レゲエ、ロックステディなどを内包した独自のロック・サウンドを聴かせてくれたフィッシュマンズのベスト・アルバム。Disc 1にはユニバーサル時代の代表曲、2にはコア・ファンには堪らない未発表レア音源が収録。
収録曲
[Disc 1]〈BEST TRACKS〉
01ずっと前
“あの娘”が感じている夜の孤独な心象風景を音像化した、メロウで幻想的なナンバー。ゆったりとした穏やかなキック音と、メランコリックなギターの旋律、浮遊するような優しいヴォーカルが一体となってたゆたう。
02気分
重厚なビートにノイジーなギター・リフや不穏な鍵盤音が絡みつく、アグレッシヴなナンバー。聴き手に疑問を投げかけるような、挑発的なヴォーカルが胸に突き刺さる。不協和音が加わり、迫力が増していく終盤は圧巻。
03MAGIC LOVE
『宇宙 日本 世田谷』からの先行および12thシングルで、デビュー当初を彷彿とさせる、リズミカルで陽気なスカ・ナンバー。ナイーヴな恋ゴコロを綴った歌詞でありながら上質のポップ・ソングに仕上げたのは、フィッシュマンズならでは。
04エヴリディ・エヴリナイト
移ろう日々の中で感じている、大切な人との絆や確かな目を持つことの意味を綴ったメロウ・チューン。滑らかなレゲエ・ビートを刻む優しい鍵盤音と、叙情的で穏やかなヴォーカルが美しい音世界を紡ぎだす。
05Just Thing
レゲエのリズムを刻むギター・カッティングと、アーシーなテイストを醸し出すホーンや鍵盤音がシンクロする、レゲエ色の濃い骨太なナンバー。独特の人生観を陽気に歌う、ファニーなヴォーカルが個性を放っている。
06SLOW DAYS
夏の夕焼け空に、肩の力が抜けた独特の人生観を投影させた心象を捉えた、アーシーな作風のナンバー。レゲエ・テイストを打ち出したギター・リフと、ファルセットやコーラスを用いた伸びやかなヴォーカルが印象的。
07あの娘が眠ってる
フィッシュマンズ初期のギタリスト・小嶋謙介が作詞、作曲をしたポップ・チューン。硬質なギター・カッティングと、美しいメロディを歌うメロウなヴォーカルが相まって、ほんわかした温かいムードを醸し出している。
08頼りない天使
愛する人から信頼されて、自分が変わっていく喜びを歌った、静かでロマンティックなラヴ・ソング。レゲエをベースにした音数が少なめのメロウなサウンドを、メランコリックで美しいヴォーカルが優しく包み込む。
09MELODY
彼らの作品の中で最もロック色が濃いナンバーの一つで、アグレッシヴなバンド・サウンドが展開されている。全体的にサイケデリックなテイストを強く打ち出しており、挑発的なヴォーカルが聴き手を陶酔へと誘う。
10ナイトクルージング
夜の街をフワフワと揺らめくような、幻想的な情景を捉えたナンバー。ダブ処理が施された、空間的な広がりを感じさせる美しいサウンドが展開されている。浮遊するように響く、滑らかなハイトーン・ヴォーカルは秀逸。
11WALKING IN THE RHYTHM
一定のリズムを刻むクラシックなピアノの旋律にさまざまな音色が覆いかぶさって生まれた、不穏なメロディが美しい。自らのリズムを信じて、歌うように歩いていきたいという、揺るぎない意志の感じられる歌詞もまた秀逸。
12100ミリちょっとの
ドラマの主題歌にもなった3rdシングル曲。キャッチーなメロディと、華やかなキーボード・アレンジが印象的なミドル・テンポのポップ・チューン。多彩なコーラス・ワークが冴える、明るいヴォーカルが魅力的だ。
13夜の想い
静謐さを描く幻想的な電子音が印象に残る、アンビエントの要素が強い作品。空間を包み込むような優しいヴォーカルは圧巻だ。終盤には力強いコーラスのループが重ねられ、恍惚感はピークに。
14新しい人
メランコリックな口笛の音色と、レゲエのビートを刻むギター・リフが印象的な、切ないダウン・テンポ・チューン。もの哀しいムードに覆われながらも、秘めた希望や情熱を感じさせる叙情的なヴォーカルが圧巻だ。
[Disc 2]〈RARE TRACKS&B-SIDE 1995〜1998〉
01Oh!Crime (DUB/analog「Oh!Mountain」1995)
02ナイトクルージング (Demo 1995)
03ずっと前 (Demo 1995)
04ナイトクルージング (Plasma Mix/Dg.B-SIDE 1995)
05SUNNY BLUE (HICKSVILLE MIX/Sg.B-SIDE 1996)
06FISH IS WATCHING YOU (Unreleased Outtake 1996)
07I DUB FISH (Sg.B-SIDE 1996)
08バックビートにのっかって (Demo 1996)
09Weather Report (Demo 1997)
10MAGIC LOVE (REMIX/Sg.B-SIDE 1997)
11それはただの気分さ (Demo 1997)
12A PIECE OF FUTURE (Demo 1998)
13A PIECE OF FUTURE