ミニ・レビュー
(1)は武田鉄矢作詞だが、熊木杏里の曲と巧くマッチしている。少年少女の心の底に潜む葛藤を、武田の言葉を乗せて、熊木のメロディとヴォーカルが優しく包み込む。(2)(3)は熊木の作詩曲。ここでも繊細さを感じさせる歌声が柔らかな世界を紡ぎだす。
ガイドコメント
アルバム『無から出た錆』に収録楽曲で、TBSドラマ『3年B組金八先生』の劇中で使用され、問い合わせが殺到した「私をたどる物語」が急遽シングル・カット。カップリングはNHK連続ドラマ小説『こころ』挿入歌で初CD化となる。
収録曲
01私をたどる物語
TBS系ドラマ『3年B組金八先生』の挿入歌となった、懐かしさあふれるフォーク調のバラード。武田鉄矢が作詞を手掛け、独特の言い回しで思春期の子が抱える思いを語りながらも、背中を押してくれる応援歌となっている。
02ヒトツ/フタツ
NHK朝の連続テレビ小説『こころ』挿入歌。「願いごとひとつ叶ったの」と歌い始めるも、スローなメロディがどこか悲しみを漂わせている。多くを語らずに表現する詞が、かえって切ない複雑な気持ちを感じさせるナンバー。
03あなたに逢いたい
やさしいピアノのメロディに乗る、熊木の透きとおる高音の歌声とストリングスの音色の調和が耳に心地いいミディアム・バラード。「白いビルの影 黒いサングラス」などバランスが絶妙な表現を使って、失ってしまった人への思いを強く描いている。