ミニ・レビュー
メジャー第1弾シングル。永積タカシ(ハナレグミ)が(1)、岸田繁(くるり)が(2)の曲を書き、(3)は湯川作だが、まったりと癒していくように見えて、彼女の歌詞と声により心地よい異物感も覚えて興味深い。3曲入りで二つ折り紙ジャケットなのにお手頃価格。
ガイドコメント
インディーズ時代から高い評価を得ている女性シンガー・ソングライターのデビュー・シングル。“魔法の歌声”と呼ばれる彼女の力強くも美しい声が最大の聴きどころ。永積タカシと岸田繁がそれぞれ楽曲を提供。
収録曲
01緑のアーチ
曲が始まり、「ほら見えてきたよ」というフレーズが響く瞬間、ほんわかと曲に引き込まれる。まるで前から知っていたような、でもハッとするような新鮮さを持った彼女のヴォーカルは、まさに天賦の才としか言いようがない。ゆったりとしたリズムとフォーキーなメロディも心地いい。作曲は永積タカシ(ハナレグミ)。
02裸の王様
青柳拓次(リトル・クリーチャーズ)の正確にして味わい深いアコースティック・ギターの上で、シルクのようななめらかさと、近寄りがたいほどの強さを兼ね備えた声が、きわめて有機的なメロディを紡ぎだす。作曲は岸田繁(くるり)。湯川潮音という歌い手はどうやら、ソングライターの才能を大きく引き伸ばす力があるようだ。
03ひなげしの丘
ジョニ・ミッチェルのように自由で、キャロル・キングのようにポップ。湯川潮音のシンガー・ソングライターとしてのあまりにも強烈なセンスを伝えるナンバーだ。オルタナ・カントリーと日本の童謡を混ぜ合わせたメロディ、きわめて映像的でありながら、神話にも似た深さを感じさせる歌詞、そしてイノセントをたたえた歌。