ミニ・レビュー
せつなさを引き立て合う深いサウンドと言葉でじっくり聴かせてくれるスローの(1)は、TX系『JAPAN COUNTDOWN』2005年9月度オープニング・テーマ。さらに独自の世界観を両極で映し出したような(2)と(3)を含め、そのアクの強さにまたしても圧倒される。
ガイドコメント
2004年のデビュー以来、着実に人気が高まっている5人組ギター・ロック・バンドの6thシングル。本楽曲は彼らがライヴのラストに演奏するナンバーで、ファンの間でも極めて評価の高い名曲だ。
収録曲
01茜色の夕日
インディーズ時代の1stミニ・アルバム『アラカルト』に収録されていた人気曲の別ヴァージョン。彼ら独特の詞世界とどこか懐かしくも力強いメロディが魅力的。綺麗な夕焼けを目にして、感じることやふと思い出すことは、きっと人それぞれ違うもの。ちょっぴり大袈裟にいえば、それが人生というものなのだ、と思わせる曲。
02蜃気楼
映画『スクラップ・へブン』のエンディング・テーマ。人生は不確かなもの、明日のことなんて誰にも分からないけれど、それでも人は生きていかなければならない。そんな日々の不安や焦燥感を“蜃気楼”という言葉で表現しているよう。テーマは重いが、決して失われていない希望がみえてくるナンバーだ。
03ムーンライト
力強いロックのリズムに乗り、金澤ダイスケの弾くキーボードが全体に独特の浮遊感をもたらしているナンバー。“プログレッシヴ・ロック”や“アート・ロック”など、古くからのロック・ファンからはそんな懐かしい言葉も飛び出してきそうな、フジファブリック流のスペイシー・ロックが堪能できる一曲。