ミニ・レビュー
地味と言っても良いくらい素朴な佇まいでありながら、聴くにつれてうっとりとその世界に誘われる壮大さを兼ね備えた楽曲だ。荒井由実の楽曲を松任谷正隆のプロデュースで平原が歌う。それだけで最高の贅沢だが、名前負けしないクオリティが嬉しい。
ガイドコメント
松任谷由実が1976年に荒井由実名義でリリースしたアルバム『14番目の月』の最後を飾った「晩夏(ひとりの季節)」を平原綾香がカヴァー。カップリングには、映画『千と千尋の神隠し』テーマ曲のカヴァーを収録。
収録曲
01晩夏 (ひとりの季節)
荒井由実時代の最後のアルバム『14番目の月』のラストに収められていた曲を、オリジナル・プロデューサーである松任谷正隆を迎えてカヴァー。晩夏から初秋へと至る季節の移ろいを思春期の終わりに重ねあわせたユーミンの隠れた名曲を、平原綾香ならではの深みのある歌声で奥行きたっぷりに表現している。
02いのちの名前
映画『千と千尋の神隠し』のテーマ曲として書き下ろされた久石譲の名曲をカヴァー。なんでも、平原綾香自身デビュー前から「いつかは歌ってみたい」と夢みていたとか。久石譲のピアノ演奏と、それにあわせて歌ったヴォーカルをそのまま収録しているが、もう何年も歌っているような解釈による歌唱が実に見事だ。