ミニ・レビュー
モバイル・サイトのRPG主題歌(4)、ネット・シネマ主題歌(8)ほか、大半が自作となるシングル全曲を収録。伸びとハリを兼ね備えたヴォーカルが、すがすがしく、軽快に、さまざまなドラマを映し出すナンバーに花を添える。ポップなメロディに心が弾むよう。
ガイドコメント
2005年5月にシングル「大切な人」でデビューしたシンガーの1stアルバム。3rdシングル「キセキ」や、初めての自作曲「いつも笑っていられるように」といった楽曲を中心に、シンプルで飾らない言葉に満ちた心地好い音楽を聴かせてくれる。
収録曲
01ミルクティー
冒頭のアコースティック・ギターの切なくも激しいカッティングが鳴らされた瞬間、心のなかがグッと動くのがわかる。ベース、ギター、ドラムが有機的に絡み合うサウンドのなかで描かれるのは、“いろいろあるけど、やっぱりあなたが好きなの”という可愛らしい思い。彼女のソングライターとしてのセンスを端的に伝える佳曲。
02そばにあるもの
聴く者に「大切なものはいつもそばにある」ことを気付かせてくれるアコースティック・チューン。ゆっくりとサビに向かって盛り上がり、静かなヴォーカルが驚くほどの柔軟性で伸び上がる。弥吉淳二のアレンジも絶品。
03コールが5回鳴る前に
陽光柔らかな昼下がりに聴きたくなるポップなテイストのラブ・ソング。電話で恋人とケンカしてしまった女性の心情をリアルに、キュートに表現しており、植村花菜らしい楽曲と呼べる。ウキウキした情感がいっぱい。
04キセキ (album version)
モバイル・ゲーム『テイルズ オブ コモンズ』主題歌のアルバム・ヴァージョン。愛する人と出会えた奇跡に感謝する気持ちが、素直に表現されている。ラッパ系を多用したアレンジが施され、まったく異なる印象を残す仕上がりに。
05melody (album version)
映画『狼少女』のために書き下ろした主題歌のアルバム・ヴァージョン。コーラスのアレンジが変わっているが、アップテンポ・ナンバーというイメージはそのままだ。温かみのあるヴォーカルが、元気ソングにぴったり!
06泣いてもいいよ
植村花菜いわく自分自身に書いた曲だとか。「泣きたいときは泣けばいい」と肩を叩いてくれている感じの内容を、ソウルフルなバラードに乗せて歌う。透き通るファルセットは癒しそのもので、至極切なくなってくる。
07会いたい
08恋の魔法
09大切な人
10歌いたいから歌うだけ
「歌いたいから歌う、理由なんかいらない」というストレートな歌詞。植村花菜が抱く歌への気持ちをシンプルに表現したリズミカルなナンバーだ。歌い方もコーラス・アレンジもR&Bテイストで、非常に耳あたりがいい。
11いつも笑っていられるように
植村花菜が19歳のとき初めて作詞作曲したバラード。彼女は歌い続けるうち「この曲はいつも私が思っていることだ」と認識したという。不安や心配を乗り越え、笑顔をたたえることの大切さがじっくりと伝わってくる。