ミニ・レビュー
「見えない翼」「Dear」「旅立ちの日に…」などシングル4曲を含むセカンド・アルバム。一段とポップで豪華になったサウンドで、聴く人の心に深く響く。初回限定盤のみ、彼女が初めて路上で発売した幻のアルバムが完全復刻されていて2枚組となっている。
ガイドコメント
先行シングルを含むシングル4曲が収録された2ndアルバム。あいおいトヨタカップ2005国際卓球大会イメージ・ソングほか、タイアップ・ソングも豊富に収録された充実の内容だ。
収録曲
[Disc 1]
01見えない翼
サークルKサンクスCMソングにもなっている、通算9作目のシングル。卓球の福原愛への応援企画から生まれただけあり、「頑張っている人への応援歌」として、川嶋が過去最大レヴェルで元気に歌っているのが興味深い。
02Dear (Album Ver.)
恋人、両親、友人へ。大切な人に心から伝えたい言葉「ありがとう」は、なかなか素直に言えないもの。そんな誰もが持っている思いを優しいサウンドにのせた楽曲。透明感のある真っ直ぐなヴォーカルも心に響く。
03Happy Birthday!!
文字通りキュートなハッピーバースデイ・ソング。大好きな彼の誕生日を素直に祝う女の子の思いを表現している。弾むようなピアノの音色が、ドキドキとワクワクを演出。誕生日のお祝いはいくつになっても嬉しいものと思わせてくれるナンバー。
04drive!
大好きな人とのワクワク&ドキドキしたドライブ・デートの様子を男の子の目線で描いたもの。波の穏やかな海岸沿いを満面の笑顔でドライブしているという映像が浮かぶ。青空とキラキラ輝く太陽がよく似合う、元気いっぱいのサウンドが心地よい。
05大三角形
“僕とあの子とアイツ”の微妙な三角関係を、夜空に浮かぶ「夏の大三角形」に見立てたナンバー。学生時代に1度は経験したであろう微熱のような恋模様を、アップ・テンポなメロディで表現したフレッシュ・ソング。
06旅立ちの日に…
「Dear」とのダブルA面で、90万枚の大ヒットとなったI WiSHの「明日への扉」の原曲。中学の卒業式の直後に書いたというポジティヴな卒業ソングが、ファンからの声により再びCD化された。武部聡のアレンジがさらにその世界観を拡げる。やさしく流れる美しいメロディに懐かしさと切なさが押し寄せ、気持ちが満たされていくナンバー。
07季節の旅人
懐かしくも新しい日本の“ワビ・サビ”を感じさせる短歌テイストの詞とメロディ・ラインが、耳と心に気持ちよく届く快心作。春・夏・秋・冬と誰もが四季とともに過ごしているんだなと改めて実感させられるような楽曲構築で、日本の四季を五感で堪能したくなる。
08雪塵 (ホワイトダスト)
ドラマティックなピアノ&アレンジが美しいミディアム・ナンバー。風に舞っては散っていく“ホワイトダスト”にたとえた儚い恋心を綴っている。寒く切ない冬のあとにはポカポカした春がやってくるという救いや希望も感じられる温かさも。
09Love
恋をするだけで、風や空気、線路脇に咲いているたんぽぽにまで目が届き、すべてに優しい気持ちになれる……。そんな恋愛のパワーを感じさせるハッピー・ソング。透明感のあるヴォーカルは、聴き手を温かく包み込んでくれるかのよう。
10優しい雨
温かくて優しさあふれるミディアム・ナンバー。世の中に強い人なんていない、弱いからこそ前を向いて歩いていくんだ、という詞に勇気づけられる。悲しみや辛さも雨がすべてを流してくれることを、清らかな歌声で綴っていく奥深い曲。
11smile and smile
ポジティヴな内容の歌詞と軽めのポップ・サウンドが見事にマッチ。自分の歩幅でゆっくりと歩いていけば必ず明るい未来が訪れる。そんなメッセージ性を持ったナンバー。“疲れてる顔はゆとり失くして切ないね”のフレーズにドキリとさせられる。
12「…ありがとう...」
彼女に密着したドキュメント映画『最後の言葉』の主題歌。大好きな母親に捧げたという渾身のバラード。特に彼女のこれまでの人生と重ね合わせて聴くとさらに深みと説得力を増す。ピアノをメインとした温かいサウンド。この“ありがとう”というたった5文字に込めた想いは強い輝きを放ち、聴く者の心を優しく照らす。
13サンキュー!
アルバムのタイトル曲のインストゥルメンタル・トラック。力強さ、未来への希望、といったポジティヴさを大空へと羽ばたいていくイメージで表現。彼女にしては珍しく、ロック・テイストのギター・サウンドに仕上がっている。
[Disc 2]
01ガラスの中の私
ピアノでの弾き語りによる楽曲。川嶋あいの真骨頂ともいえる切ないミディアム・バラード。ガラスのように脆く、そして傷つきやすい、思春期の少女の心を綴った詞が鮮烈。か弱い中にも意志の強さが感じられる歌声も印象的。
02旅立ちの日に…
「Dear」とのダブルA面で、90万枚の大ヒットとなったI WiSHの「明日への扉」の原曲。中学の卒業式の直後に書いたというポジティヴな卒業ソングが、ファンからの声により再びCD化された。武部聡のアレンジがさらにその世界観を拡げる。やさしく流れる美しいメロディに懐かしさと切なさが押し寄せ、気持ちが満たされていくナンバー。
03未来への道
シャープに切れるギター、キラキラとした光を放つシンセサイザー、4つ打ちを軸にしたダンサブルなビートがガッチリと融合した、ハード・エッジなナンバー。チャーミングなメロディ・ラインや“その先には必ず希望が待っている”という超ポジティヴなリリックは彼女のキャラクターにぴったり。
04天使たちのメロディー
人間1度はぶつかる、厳しい現実、挫折……。そんな「絶望」「暗闇」の隣にはいつでも「希望」があるということを描いたバラード・ナンバー。ガラスのような透明感あふれる彼女のヴォーカルも、魅力が全面に押し出されている。
05My Story
ギター、ベース、ドラムを軸にした必要最小限のバンド・サウンドが、彼女が放つのびのびとした旋律をしっかりとフォロー。風を受けながら走っているような心地よさ、そして、心の奥底に隠された悲しみ。ふたつの要素を同時に感じさせるヴォーカルが彼女の大きな特徴。ポジティヴな気分を無理なく伝える歌詞もいい。