ミニ・レビュー
美しい唄声で注目される東京出身の女性シンガー・ソングライターのメジャーからは初となるミニ・アルバム。彼女の楽曲、そして唄の魅力への敬愛が感じられる抑制の利いたサウンド・メイキングがなされているのが感じられる、初回限定盤のみ紙ジャケット仕様。
ガイドコメント
2006年6月リリースのミニ・アルバム。彼女の美しいソプラノ・ヴォイスを生かしつつも、前作に比べ、よりポップで清涼感のある仕上がり。鈴木惣一郎と栗コーダーカルテットの栗原正己がプロデュース。
収録曲
01朝の賛歌
窓から陽ざしが差し込んでくる瞬間を捉えたような優しい曲。アコギと12弦ギターが織りなすアコースティックなサウンドに、フルートやオーボエがのどかな雰囲気を添える。ストリングスが爽やかな希望を感じさせる。
02からっ風
マンドリンやハープの音色が心地良い風を運んでくる、牧歌的な曲。ふと口ずさみたくなる親しみやすさと新鮮な空気を運んでくるような魅力を併せ持ったメロディと歌声が印象的。ふらっと散歩にでも行きたくなる。
03さよならの扉
ピアニカやトランペットなどが鳴り響く愉快な演奏をバックに、“さよなら”したあなたとの思い出に頭をめぐらす。行進曲のようにテンポ良く進む中、絵本を読むように滑稽な様子を漂わせながら、軽やかに聴かせる。
04ツバメの唄
ふと見かけた“ツバメ”にまだ見ぬ場所への想いを馳せていく、日常の風景を切り取った曲。親しみやすいメロディと透き通った歌声が、ピアノやバンジョーが繰り広げる色彩豊かなサウンドによって空に舞っていく。
05二人の手紙
黒沢健一作曲。マリンバやグロッケンシュピールを採り入れた幻想的なサウンドに乗せて、幼い頃の思い出やその場所について歌う。チャイムのようなイントロから、そのままタイムスリップしてしまいそうな雰囲気。
06最後の列車
二拍子のリズムに乗った飾り気のない演奏が、可愛らしい歌詞とメロディを“列車”のように運んでいく。サックスやハープなどが賑やかに盛り上げ、列車が走っていく光景が浮かんでくるようだ。旅のお供にしたい曲。