ミニ・レビュー
“Both Sides Of 笹川美和”とでも言えるシングル。日本的、中国的な面がうかがえる幻想的な「朧月夜」、静と動が連係する悲痛な「過去」、それに前2曲とは肌触りの異なる、ボサ・ノヴァ・テイストを加味した「安息日」から成り、目の前に独特の世界が広がる。
ガイドコメント
2006年8月リリースのシングル。彼女の柔らかい歌と親しみやすいメロディが際立つ温もりに満ちたナンバー。カップリングは、苦しみや切なさを歌った歌詞が魅力の、従来の彼女らしい1曲。
収録曲
01朧月夜
7thシングルはどこか懐しい雰囲気をたたえたミディアム・スローの和風バラード。なんでも笹川美和の鼻歌から生まれた楽曲だとか。月の美しい夜、お使いに出た少女が出会うちょっとした出来事が、風情豊かに綴られている。
02過去
天性の癒し系ヴォイスが染み入るスロー・バラード。誰にも消したい過去はあるが、「引っ掻いてもとれないの」と言われる痛切な詞に涙腺が緩む。静かに始まるAメロから一転、Bメロ以降は激しい憤りを表現した編曲で攻めてくる。
03安息日
天使の顔をした悪魔のような恋人に対し、自分の気持ちに見切りをつけようとする女心を歌う。キツイ心情がテーマだけれど、ボサ・ノヴァ風の穏やかなサウンドのおかげで、心休まるスロウ・チューンに仕上がっている。