ミニ・レビュー
リリィ・シュシュ名義での活躍をしのぐ勢いを見せている、8枚目のシングル。繊細というよりもずっと趣の深いアンニュイな佇まいと、こっくりとまろやかに響く特徴的な発声が、物語性の強い楽曲をさらにドラマティックに仕立てている。プロデュースはおなじみの小林武史。
ガイドコメント
通算8枚目のシングルは、映画『地下鉄(メトロ)に乗って』の主題歌。美しく流麗なピアノとSalyuの深淵な歌声を基調とした壮大なバラードで、映画のストーリーと相まって聴き手の心にすみやかに響く。
収録曲
01プラットホーム
映画『地下鉄に乗って』主題歌。どのフレーズがサビでもおかしくないほど、歌い出しのブレスから途切れるような最終小節まで、印象的なメロディが続く。ピアノの旋律が心に染み入る、映画に負けないインパクトのあるドラマティックな佳曲だ。
02夜の海 遠い出会いに
アンビヴァレントなドラム・セッションと叙情的な歌詞が、中性的なヴォーカルと相まって、不思議な夢をみせてくれるような1曲。ハイトーンなSalyuの声が七色に変化するさまは、息を飲むような緊張感にあふれている。
03行きたいところ
うっすらと明るいおだやかな陽だまりのようなメロディに、さりげないSalyuの声が流れるように合わさる、しみじみと聴かせる旅人の歌。詞曲を手がけた小林武史の持つポエットなエッセンスがギュッと詰まった作品だ。