ミニ・レビュー
どこから聴いてもいつものミスチル節なのに、初めて耳にするそのメロディはみずみずしい。“枯れ”を意識したミディアム・ナンバーでこそそれは顕著に感じられる。強烈なインパクトよりも大事なものを見つけた大人たちによる素晴らしいポップ・ミュージックだ。
ガイドコメント
「箒星」に続くシングルは、“愛情が高まった二人”あるいは“はなればなれになる二人”という、2つのストーリーを思わせるラブ・ソング。上品なストリングスとバンド・サウンドが絶妙にマッチしている。ドラマ『14才の母』の主題歌。
収録曲
01しるし
高視聴率を記録した日本テレビ系ドラマ『14才の母』の主題歌となったバラード。優しく立ち上がったメロディは、徐々にスケール感を増していき、最終的には美しく壮大な感動へと聴く者を導く。桜井和寿の奥深いソングライティングには驚かされる。
02ひびき
悲しみに満ちた世界情勢と、平凡だけど素晴らしいシアワセに囲まれた日常。大きく離れたふたつの事象をナチュラルに結びつけ、しっかりとしたリアリズムを体現することに成功した、アコースティック・テイストのナンバー。
03くるみ (for the Film-幸福な食卓)
小林武史が音楽を担当した映画『幸福な食卓』の主題歌。クラシカルな空気をもたらすピアノ、ストリングスと“ねぇ くるみ”と優しく語り掛ける桜井のヴォーカル(ファルセットがきれい!)が静かな感動を与えてくれる。